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股関節の右だけ・左だけ痛いのはなぜ?4つの理由と対処法を解説

執筆者の写真: 真吾 保田真吾 保田


股関節に痛みがあると、歩行や着席などの日常生活に支障をきたしてしまいます。特に、片方の股関節だけが痛むと、なぜ片方だけ痛むのかを不安に感じることもあるでしょう。股関節の痛みは加齢だけでなく、さまざまな原因によって引き起こされることが知られています。


当記事では、股関節が右だけ、左だけ痛い理由や対処法を解説します。 股関節が痛む疾患についても解説し、対処法についても紹介しますので、ぜひお役立てください。



【この記事はこんな方におすすめです】

  • 股関節に違和感や痛みを感じている方

  • 日常生活で股関節に負担をかけがちな方

  • 病院に行くべきか悩んでいる方

 


股関節の右だけ・左だけ痛い理由


股関節は日常の動作や姿勢の影響を受けやすく、身体機能の低下や柔軟性の不足により痛みを感じることがあります。特に片側だけ痛む場合、筋肉のアンバランスや関節への負担、特定の疾患の存在が痛みの原因として考えられます。


ここでは、股関節の右側または左側だけが痛む理由について詳しく解説します。



先天的な股関節の変形・異常

股関節が片側だけ痛む原因の一つに、「発育性股関節形成不全」が挙げられます。発育性股関節形成不全は、生まれつき股関節の受け皿(臼蓋)が浅かったり、関節がゆるかったりする状態ですが、若い頃は筋肉が強く軟骨が厚いため痛みが起きない傾向にあります。

 

しかし、成長とともに筋肉が落ちたり体重が増えたりすることで片側の股関節に負担がかかり、片方だけ痛むようになります。特に女性に多く見られ、長年の負担によって変形性股関節症へと進行しやすいのが特徴です。



骨盤の歪み

 

骨盤の歪みも、股関節が片側だけ痛む原因の一つです。日常生活の姿勢や習慣によって骨盤が傾くと、左右の股関節にかかる負荷が偏り、痛みが生じることがあります。例えば、足を組む癖、片足に体重をかけて立つ姿勢、長時間のデスクワークなどが股関節痛の原因となることがあります。

 

骨盤の歪みが続くと、筋肉の緊張が強くなったり、関節の可動域に制限が生じ、慢性的な痛みにつながることもあります。ストレッチや姿勢改善に取り組むことで、症状の軽減が期待できます。

 

 

股関節周辺のケガの後遺症

 

股関節周辺のケガが原因で、片側だけに痛みが残ることがあります。過去に捻挫や骨折、肉離れを経験した場合、その部分の筋力や可動域が低下し、股関節に負担がかかりやすくなることがあります。また、下肢の手術による影響や、長期間のギブス固定による筋力低下が原因で、脊椎や骨盤のバランスが崩れることもあります。

 

股関節周辺のケガの後に、リハビリ不足や適切なケアが行われなかったことにより、慢性的な痛みや違和感が残る能性があるため、ストレッチや筋力トレーニングを取り入れ、適切なケアを行うことが大切です。

 

 

片側の股関節への長時間の負担

 

片側の股関節に長時間負担がかかることで、痛みが生じることがあります。例えば、片足に体重をかける立ち方や、足を組む癖、片方の肩にばかりバッグをかけるなど、日常の何気ない動作が負担の原因になることがあります。また、デスクワークや長時間の運転などで同じ姿勢を続けると、筋肉のバランスが崩れ、股関節の片側に過度な負担がかかることもあります。痛みを軽減するためには、正しい姿勢を意識し、こまめにストレッチを行うことが大切です。

 

 

股関節が痛むときに考えられる疾患


股関節の痛みが続く場合、以下のような疾患が関係している可能性があります。

 


■変形性股関節症 患者さんの多くは女性で、原因の80%が発育性股関節形成不全の後遺症、または子どものときの股関節の形成不全などの病気や発育障害の後遺症だと言われています。関節の痛みと機能障害が主な症状で、立ち上がりや歩き始めに足の付け根に痛みを感じ、関節症がひどくなると、夜間も痛むなど持続痛につながることもあります。診断をされたら、股関節への負担をまず減らすことが重要です。


■リウマチ性股関節症 自身の正常組織に誤って免疫細胞が攻撃することで股関節の潤滑油にあたる関節液を作る「滑膜」が炎症を起こし、軟骨や骨を溶かして体重がかかることで関節の破壊が進んでしまう疾患です。原因は解明されておらず、抗リウマチ薬やステロイドなどの投薬で治療します。痛みが続き改善しない場合や股関節が変形して日常生活に支障をきたす場合などは人工股関節置換術を検討します。

 


■大腿骨近位部骨折 大腿骨の足の付け根部分の骨折を総称して、大腿骨近位部骨折と言います。骨粗鬆症など骨の弱い高齢者の方が転倒、または転落や交通事故などの外傷で起こりやすく、治療では骨折の部位や程度に合わせたインプラントを用いた手術療法が行われます。手術後は筋力低下や合併症を予防するために速やかに歩行訓練を行います。


 


■特発性大腿骨頭壊死症 血流の低下によって大腿骨頭の一部が壊死する疾患です。原因は未だ不明ですが、お酒の飲み過ぎやステロイド剤の使用が危険因子として知られており、骨が壊死するだけで痛むことはなく、壊死した部分が潰れることで痛みが発生します。治療法は生活指導や鎮痛消炎剤の投与などの保存療法や、骨切り術などの手術療法を、年齢や活動性、内科的合併症、壊死の大きさや位置などさまざまなことを考慮し行います。

 

 


股関節が痛むときの対処法


股関節の痛みが一時的な筋肉痛や運動後の疲労によるものであれば、市販の鎮痛薬や湿布を使用することで症状を和らげることができます。また、適度な運動やストレッチを行うことで股関節周りの柔軟性を高めることは、痛みの予防にもつながります。無理のない範囲で動かし、血流を促進することが重要です。

 

以下では、股関節の痛みを軽減する具体的な方法について紹介します。

 

 

ストレッチをする

 

股関節の痛みを和らげるためには、ストレッチが効果的です。関節周辺の筋肉が硬くなると可動域が狭まり、痛みを引き起こすことがあります。ストレッチを行うことで筋肉の柔軟性が向上し、股関節への負担を軽減できます。以下は、ストレッチの例です。

 

開脚ストレッチ:足を広げて前屈し、内ももや股関節周りを伸ばす

片膝立ちストレッチ:片膝を床につけ、もう一方の膝を曲げて前に押し出す

仰向け股関節回し:仰向けで膝を抱え、ゆっくり円を描くように回す

 

無理のない範囲で毎日続けることで、股関節の痛みを和らげるとともに、予防にもつながります。

 

 

軽い運動をする

 

股関節の動きをスムーズにするために、適度な運動を取り入れることが大切です。運動により股関節周辺の筋肉を動かし、柔軟性を維持することが期待できます。以下のような簡単な運動がおすすめです。

 

ウォーキング:股関節を自然に動かし、体のバランスを整える

スクワット(浅め):膝を深く曲げず、ゆるやかに下げることで、股関節の可動域を広げる

ヒップリフト:仰向けで膝を立て、お尻をゆっくり持ち上げ、股関節周辺の動きを意識する

プールウォーキング:水の浮力を利用し、関節に負担をかけずに運動できる

 

 

適切な姿勢を維持する

 

綺麗な姿勢も、股関節への負担を軽減できるため痛みの予防につながります。例えば、座るときに深く腰掛け、背もたれを使って骨盤を立てることで、股関節の負担を分散できます。

 

また、歩く際には片方の足に体重をかけすぎず、バランスよく歩くことが大切です。靴の選び方も姿勢に影響を与えるため、かかとの安定したものを選ぶことで、股関節への負担を減らすことができます。長時間のデスクワークや立ち仕事で姿勢が崩れがちな方は、気づいたときに正すよう心がけるのが良いでしょう。

 

 

整形外科へ受診する

 

股関節の痛みは、軽度の疲労によるものだけでなく、関節の疾患が原因であることもあります。痛みが数週間以上続く、歩くのが困難、痛みが強くなるといった場合は、整形外科の診察を受けましょう。レントゲンやMRI検査を通じて原因を特定し、適切な治療を受けることが重要です。自己流のケアでは改善しないケースもあるため、早期受診が早い回復につながります。

 

また、股関節に大きな問題がなかった場合であっても、医師の指導のもとでリハビリやストレッチを行うことで、症状の改善が期待できます。

 

 

まとめ

 

股関節の痛みは、姿勢の悪化や筋肉の衰え、先天的な異常、過去のケガなどが原因となることがあります。特に片側だけ痛む場合は、骨盤の歪みや長時間の負担が影響している可能性があります。また、変形性股関節症やリウマチ性股関節症などの疾患が関与している場合もあるため、症状が続く場合は医療機関の受診が重要です。

 

対策としては、ストレッチや適度な運動、正しい姿勢を意識することで股関節の負担を軽減し、痛みの予防につなげることができます。








 
 
 

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