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足の付け根が痛いときに考えられる原因と疾患|対処法と受診タイミング


足の付け根が痛いときに考えられる原因と疾患|対処法と受診タイミング

足の付け根に痛みを感じると、歩く・立つなどの日常動作にも支障が出てしまいます。痛みの原因は、筋肉や腱の炎症、関節軟骨のすり減り、神経の圧迫、股関節の不安定性など多岐にわたります。また、痛む位置によっても考えられる疾患が異なります。


当記事では、足の付け根の痛みの主な原因・部位別の疾患・対処法や受診のタイミングを詳しく解説します。早めに原因を知ることで、悪化を防ぎ回復を早めることができます。


【この記事はこんな方におすすめです】 ・足の付け根に痛みや違和感を感じている方

・足の付け根に痛みがあり病院に行くべきか迷っている方

・痛みをどうにか改善したい方


足の付け根が痛いときに考えられる原因


足の付け根が痛いときに考えられる原因

足の付け根とは、太ももと骨盤の境目にあたる部分で、股関節や筋肉、靭帯、神経などが集中しています。歩行や立ち上がりなど、日常の動作を支える重要な部位です。この部分に痛みを感じる場合、筋肉や腱の炎症、関節軟骨の摩耗、神経の圧迫や股関節の不安定性など、さまざまな原因が考えられます。


以下で主な原因を詳しく解説します。



筋肉や腱の炎症


足の付け根の痛みの原因として多いのが、筋肉や腱の炎症です。股関節の周囲には、大腿四頭筋や腸腰筋、内転筋など多くの筋肉があり、これらがスポーツや急な方向転換、長時間の歩行や立ち仕事によって過度に使われると、筋繊維が損傷し炎症が起こります。


また、筋肉を骨に結びつける腱に炎症が生じる「腱炎」も痛みの原因となります。特に、腸腰筋腱炎や大腿直筋腱炎では、動かしたときに付け根の前面に鋭い痛みを感じることがあります。無理な動作を繰り返すことで症状が悪化しやすいため、早期の安静と適切なケアが重要です。



関節軟骨の摩耗


足の付け根の痛みは、股関節の関節軟骨がすり減ることによって起こる場合があります。太ももの骨(大腿骨)の先端と骨盤側のくぼみ(寛骨臼)は、滑らかな関節軟骨で覆われており、この軟骨がクッションの役割を果たしています。しかし、加齢や過度な負荷、姿勢の偏りなどによって軟骨が摩耗すると、骨同士が直接こすれ合い、炎症や痛み、こわばりが生じます。


進行すると歩行や立ち上がりの際に強い痛みを感じるようになり、変形性股関節症へとつながることもあります。関節の摩耗は自然には回復しにくいため、早めの医療機関受診と負担軽減が大切です。



神経の圧迫や腰からの影響


足の付け根の痛みは、腰から伸びる神経が圧迫されて生じることもあります。特に代表的なのが坐骨神経痛で、腰椎の椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症などによって坐骨神経が圧迫されると、腰からお尻、太もも、ふくらはぎ、足の付け根にかけて痛みやしびれが広がります。神経の炎症が起こると、姿勢を変えたときや長時間同じ姿勢を続けたときに痛みが強くなるのが特徴です。


原因が腰椎にある場合でも、痛みが股関節や太ももに現れることがあるため、局所の異常と区別しにくいことがあります。早期に医療機関で原因を特定し、適切な治療やリハビリを行う必要があります。



股関節の不安定性


足の付け根の痛みは、股関節の不安定性が原因となっている場合もあります。股関節は、骨盤のくぼみ(寛骨臼)に太ももの骨(大腿骨)がはまり込む構造をしており、周囲の筋肉や靭帯が関節を支えています。


しかし、運動不足や加齢による筋力低下、または生まれつき関節の形に問題がある先天性股関節形成不全などがあると、関節をうまく支えられず不安定になりやすくなります。不安定になることで、歩行や立ち上がりの動作で股関節に過度な負担がかかり、痛みや違和感を生じます。股関節を支える筋肉の強化や姿勢の改善が、症状の軽減や進行の予防に役立ちます。


筋肉や靱帯の損傷や硬直・緊張


足の付け根の痛みは、股関節まわりの筋肉や靭帯の損傷、または硬直・緊張によって起こることもあります。長時間の立ち仕事や座り姿勢、スポーツなどで同じ動作を繰り返すと、股関節を支える筋肉(腸腰筋・大腿筋膜張筋・内転筋など)が硬くなり、血流が悪化します。その結果、筋肉や靭帯に負担がかかり、炎症や痛みが生じます。


特に筋肉の緊張が続くと可動域が狭まり、動かしたときに付け根に張りや違和感を感じやすくなります。ストレッチや姿勢の見直しで柔軟性を保つことが、筋肉や靭帯の緊張を和らげ、痛みの予防につながります。



足の付け根が痛いときに考えられる疾患


足の付け根の痛みは、痛む位置によって原因となる疾患が異なります。内側・外側・前側のいずれに症状が出るかによって、関係する筋肉や関節、神経の異常を見分ける手がかりになります。


ここでは、痛みの部位ごとに考えられる主な疾患を解説します。



内側が痛いとき


足の付け根の内側が痛む場合、関節や腱、神経の炎症が原因となっていることが多いです。スポーツや急な方向転換、長時間の立ち仕事などで筋肉や腱に負担がかかると、炎症が起こり痛みを感じやすくなります。代表的な疾患としては、坐骨神経痛とグロインペイン症候群(鼠径部痛症候群)が挙げられます。坐骨神経痛は腰から伸びる神経が圧迫されることで生じ、放置すると椎間板ヘルニアなどに進行する恐れがあります。


また、内転筋など太ももの内側の筋肉や腱が炎症を起こす腱炎も、内側の痛みの原因の一つです。変形性股関節症では軟骨の摩耗により関節の動きが悪くなり、足の付け根だけでなくお尻や太ももに痛みが広がることがあります。



外側が痛いとき


足の付け根の外側に痛みを感じる場合は、股関節やその周辺のバランスの崩れが関係していると考えられます。関節を支える筋肉の低下や姿勢の歪みにより、股関節に負担が集中して炎症や痛みが生じます。代表的な疾患としては、変形性股関節症や股関節臼蓋形成不全が挙げられます。これらは関節軟骨の摩耗や骨の変形によって動かしにくさが生じ、痛みが外側に広がるのが特徴です。


その他に、滑液包炎は股関節の外側にある滑液包に炎症が起こり、腫れや熱感を伴うことがあります。また、坐骨神経痛によって神経が圧迫されると、足の付け根から太ももの外側にかけてしびれや痛みが現れることもあります。筋力低下や体重増加が症状を悪化させるため、適度な運動と体重管理が予防・改善に有効です。


前側が痛いとき


足の付け根の前側に痛みを感じる場合は、股関節や鼠径部(そけいぶ)周辺の異常が関係している可能性があります。特にデスクワークなどで長時間座る姿勢が続くと、股関節が前方に引っ張られ、筋肉や関節に負担がかかります。代表的な疾患としては、鼠径ヘルニアと鼠径部痛症候群(グロインペイン症候群)があります。鼠径ヘルニアでは、腹部の組織が筋膜の隙間から飛び出し、脚の付け根にしこりや違和感、痛みを感じるのが特徴です。


また、サッカー選手などに多い鼠径部痛症候群では、股関節まわりの筋肉バランスが崩れ、走行やキック動作で痛みが生じます。腸腰筋の炎症や緊張、腸恥包炎によっても前側に痛みが出ることがあり、ストレッチや姿勢改善によるケアが効果的です。



足の付け根が痛いときの対処法と受診のタイミング


足の付け根が痛いときの対処法と受診のタイミング

足の付け根が痛いときは、まず原因に応じた対処を行いましょう。無理に動かすと炎症が悪化することがあるため、初期段階では安静と冷却が基本です。

◼︎安静にする 痛みが強い場合は、歩行や運動を避けて患部を休ませます。


◼︎冷やす 転倒や急な痛みがあるときは、氷や冷湿布で10〜15分冷やし、炎症や腫れを抑えます。


◼︎痛み止めを使う 市販の鎮痛剤を一時的に使用しても構いませんが、長期使用は避けます。

◼︎ストレッチ・軽い運動 慢性的な違和感がある場合は、股関節まわりの筋肉(腸腰筋・大腿四頭筋・ハムストリングスなど)をゆるめるストレッチが効果的です。 

 

◼︎リハビリ・運動療法

 医療機関では理学療法士によるリハビリで筋力や柔軟性を回復します。  

  

◼︎体重管理  

体重増加による関節への負担を減らすため、栄養指導や軽い運動を取り入れます。


もし痛みが続いたり足に力が入らなかったりする場合は、整形外科などをすぐに受診しましょう。突然片足に力が入らなくなったり、事故や転倒後に強い痛みがあったり、痺れや脱力感が続いたりする場合も注意が必要です。



まとめ


足の付け根が痛むときは、まず安静と冷却を心がけましょう。歩行や運動を控え、氷や冷湿布で10〜15分冷やすと炎症を抑えられます。慢性的な痛みには、ストレッチや軽い運動で股関節まわりの筋肉(腸腰筋・大腿四頭筋など)をゆるめると効果的です。


医療機関ではリハビリや運動療法によって柔軟性や筋力を回復し、体重管理で関節への負担を減らすことも重要です。痛みが長引く場合や片脚に力が入らない、しびれがある、転倒後に強い痛みがあるときは、早めに整形外科を受診してください。早期の対応が症状の悪化を防ぎます。



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監修医師

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保田 真吾 医師

京都大学でアルツハイマー病などの神経変性疾患の病態解明と治療法の開発に取組み、医学博士を取得。また、准教授として再生医学の応用研究に従事し、国際的評価の高い学術誌に研究成果を発表してきた。整形外科医としては、人工関節置換術や膝関節鏡手術を数多く経験。公的病院にて医長や副院長、院長代行などを務め、病院全体を管理する仕事にも携わってきた。


臨床医として勤務しつつも、再生医学の臨床応用については常に研究しており、実用段階となった再生医療の症例を4000例以上経験。再生医療の長所、短所を知り尽くし、理想の関節治療を実現するため、大阪梅田に新規クリニックを開設する決意をした。「和顔愛語 先意承問」の精神で、丁寧な診察を心がけている。

​【経歴】

京都大学医学部大学院修了 

京都大学助教授(准教授)

市立舞鶴市民病院 副院長・院長代行

国立病院機構 舞鶴医療センター 医長

公益財団法人 丹後中央病院 部長

医療法人社団活寿会 理事長

大阪ひざ関節症クリニック 院長

膝の痛み専門 大阪梅田セルクリニック 院長

​【専門医など】

京都大学医学博士

日本専門医機構認定  整形外科専門医

リウマチ財団登録医

臨床内科専門医/糖尿病療養指導医

日本医師会認定産業医

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