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変形性膝関節症はどんな人に多い?原因や前兆の症状・予防法を解説


変形性膝関節症はどんな人に多い?原因や前兆の症状・予防法を解説

変形性膝関節症は、中高年を中心に多くの人が抱える膝の疾患で、軟骨の摩耗によって痛みや動作のしづらさが生じます。年齢が上がるほどなりやすいのは一般的ですが、その他にも変形性膝関節症になりやすい方にはいくつか特徴があります。そのため、どのような人がなりやすいのか理解した上で、予防に努めることが大切です。


当記事では、変形性膝関節症の原因やなりやすい人の特徴、前兆となる症状、日常で意識したい予防法について解説します。

【この記事はこんな方におすすめです】 ・膝の痛みやこわばりを感じはじめており、原因を知りたい方

・自分が変形性膝関節症になりやすいタイプかどうか確認したい方

・階段の昇り降りや動きはじめに違和感がある方


変形性膝関節症になる原因


変形性膝関節症になる原因

変形性膝関節症は、膝の関節軟骨がすり減って痛みや腫れが起こり、動かしにくさから歩行や階段動作がつらくなる病気です。初期は立ち上がりや歩き始めだけ痛むこともあり、進むと正座や長距離歩行が難しくなります。


原因は一つではなく、加齢による軟骨と半月板の変性に、体重負荷や反復動作が重なることが中心です。肥満や筋力低下、O脚傾向による内側への荷重偏り、靱帯損傷や半月板断裂、骨折後や感染後の後遺症も発症と進行に関与します。軟骨の摩耗が進むと骨棘ができ、変形と炎症が増えて痛みが強まり、さらに活動量が落ちて筋力が低下する悪循環に陥ります。ガイドラインでは要介護への移行リスクが約7.6倍と指摘されており、早めの受診と生活習慣の見直しが大切です。



変形性膝関節症はどのような人に多い?


変形性膝関節症は誰でも起こり得ますが、発症しやすい人には一定の傾向があります。ここでは、変形性膝関節症になりやすい方の特徴を紹介します。



高齢の女性


変形性膝関節症は、高齢の女性に特に多く見られます。年齢を重ねると関節軟骨や周囲の組織が変化し、耐久性が低下するためです。軟骨は再生能力が限られており、40代以降は摩耗が進みやすくなります。関節を支える筋肉や靭帯も衰えやすく、膝が不安定になり負担が増加します。


また、女性はホルモンバランスの影響を受けやすいことから、男性より約4倍発症しやすいとされています。閉経後はエストロゲンの減少によって骨密度が下がり、関節の不調が現れやすく、加齢に伴う血流低下も軟骨代謝に悪影響を及ぼします。そのため、中高年以降の運動では準備運動やストレッチを丁寧に行い、膝に違和感があれば早めに整形外科へ相談することが大切です。



O脚・X脚の人


O脚やX脚があると、体重が膝関節に均等に乗りにくくなります。O脚は内側、X脚は外側に荷重が偏り、同じ部位の軟骨や半月板が繰り返し圧迫されて摩耗が進みやすくなります。偏りが続くと関節のすき間が狭くなり、炎症や骨棘が生じて痛みが増える悪循環に入りやすい点も要注意です。


片側だけ痛む場合もあります。階段の上り下りや長時間の立ち仕事で負担が重なると進行しやすくなります。体重管理も大切です。違和感が出たら早めに整形外科や理学療法士に相談し、歩き方の見直しや筋力づくり、靴選び、必要に応じたインソールで負担を減らしましょう。



肥満傾向の人


肥満体型の方は、変形性膝関節症を発症しやすくなります。体重が増えると、立っている間や歩いている間に膝関節へかかる負担も大きくなるためです。特に歩行時には、自分の体重の数倍もの負荷が膝にかかります。


近年の研究では、BM(肥満度を表す指数)が5増加すると、変形性膝関節症になるリスクが1.2倍以上になると報告されています。すでに膝関節の変形が見られる方は、肥満体型のままでいると痛みや関節の破壊が進む恐れもあるため、運動や食生活の改善などにより、体重を減らすよう心掛けることが大切です。



膝に負担のかかる動作を頻繁に行う人


日頃から膝に大きな負担がかかる動作を繰り返す人は、変形性膝関節症になりやすい傾向があります。重い物を持ち上げる仕事、長時間の立ち作業、深い屈伸やジャンプを伴う運動は、膝関節に反復的なストレスが加わりやすく、軟骨の摩耗や靭帯への負荷が積み重なります。農業・建設業・介護職などでも、しゃがむ・立ち上がる動きを繰り返すことで負担が大きくなります。


また、バレーボールやサッカーなど衝撃の強いスポーツを続けてきた場合、若い頃は症状がなくても中高年以降に痛みが顕在化することがあります。



遺伝的要因を持つ人


変形性膝関節症は、遺伝的な体質や骨格の特徴が影響するとされ、家族に患者がいる場合は発症しやすい傾向があります。関節の形状や軟骨の質、ホルモンバランスの傾向など、生まれ持った身体的特性が似ることでリスクが高まると考えられています。また、生活習慣や環境が家族間で共通しやすい点も発症に影響する要因です。


ただし、遺伝があるからといって必ず発症するわけではありません。体重管理、適度な運動、膝への負担軽減などの予防策を意識することで、リスクを下げることは十分可能です。家族歴がある方は、早めに検査や対策を行うことが勧められます。。



変形性膝関節症になる前兆症状


変形性膝関節症になる前兆症状

変形性膝関節症には、発症のサインとなる初期症状があります。動き始めの痛みやこわばりなど気づきにくい変化が現れるため、早期の自覚が重要です。ここでは代表的な前兆を解説します。



動きはじめに違和感や痛みがある

変形性膝関節症の初期には、起床時や椅子から立ち上がる際、歩きはじめなどに膝の動かしにくさや違和感、こわばり、鈍い痛みが現れます。「少し重い」「何となく変」といった感覚から始まることが多く、布団からすぐに起き上がれず、ゆっくり姿勢を整えてからでないと動けない場合もあります。これらの症状は動かしているうちに治まることが多いため、老化や一時的な不調と捉えて受診を遅らせてしまうケースも少なくありません。


痛みの部位は膝の内側に出ることが多く、日本人に多いO脚傾向により内側へ負荷が集中しやすいためとされています。こうした軽い違和感は初期のサインであり、見逃さないことが大切です。



階段の昇り降りで痛みを感じる


変形性膝関節症の初期には、階段の昇り降りで膝に痛みが生じることがあります。特に階段を降りる動作では膝に大きな負荷がかかりやすく、歩行では問題がなくても階段だけ痛むというケースも少なくありません。階段の昇降動作は歩行以上に膝へ負担をかけるため、初期症状の目安として気づかれやすい特徴の1つです。


こうした痛みは進行に伴い徐々に強くなることが多く、放置すると日常動作にも支障が出る可能性があります。変形性膝関節症は早期に気づくことで悪化を防ぐ対策が取りやすいため、年齢を重ねてこうした症状が現れた場合は、一度整形外科を受診して状態を確認することが重要です。



変形性膝関節症の予防法


変形性膝関節症になりやすい特徴に当てはまり、不安を感じている方は、日常生活の中でできる予防法を取り入れることが大切です。膝への負担を減らし、関節の動きを維持するために、次のような方法が効果的とされています。


■ウォーキングを習慣にする

軽い運動でも下肢の筋力向上と体重管理に役立ち、膝への負荷を減らせます。姿勢や歩き方を意識するとより効果的です。


■有酸素運動で体重をコントロールする

膝には体重の数倍の力がかかるため、体重を減らすだけでも負担を大きく軽減できます。強度の低い運動が適しています。


■膝やお尻の筋肉を鍛える

下半身の筋力が強くなると膝が安定し、日常動作での摩耗を防ぎやすくなります。シンプルな曲げ伸ばし運動でも効果があります。


■ストレッチで柔軟性を高める

関節の可動域が広がり、動作がスムーズになります。筋肉がほぐれることで運動の効果も高まります。


■膝に負担がかかる動作を避ける

階段の昇降や長時間の立ち仕事、重い物の持ち運びなど負荷の大きい動作を減らし、必要に応じてサポーターを活用します。


■バランスの良い食事を心がける

体重と体調の管理につながり、運動を継続しやすい状態を保てます。


■杖を利用して負荷を分散する

痛みがある場合は杖の併用が有効で、膝に伝わる負担を軽減し進行抑制に役立ちます。



まとめ


変形性膝関節症は、膝の関節軟骨がすり減って痛みや腫れが起こる病気です。原因は加齢による軟骨と半月板の変性に、体重負荷や反復動作が重なることが中心で、肥満や筋力低下、O脚傾向なども関与します。


発症しやすいのは高齢の女性で、男性より約4倍多く見られます。また、O脚・X脚の人は荷重が偏り軟骨が摩耗しやすく、肥満体型の人はBMIが5増加するとリスクが1.2倍以上になります。重労働や衝撃の強いスポーツを続けた人、家族に患者がいる人も注意が必要です。


予防には軽い運動で筋力を高め、体重管理を心がけましょう。膝やお尻の筋肉を鍛え、ストレッチで柔軟性を保つことも効果的です。階段の昇降など負荷の大きい動作を避け、痛みがある場合は杖やサポーターを活用しましょう。





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監修医師

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保田 真吾 医師

京都大学でアルツハイマー病などの神経変性疾患の病態解明と治療法の開発に取組み、医学博士を取得。また、准教授として再生医学の応用研究に従事し、国際的評価の高い学術誌に研究成果を発表してきた。整形外科医としては、人工関節置換術や膝関節鏡手術を数多く経験。公的病院にて医長や副院長、院長代行などを務め、病院全体を管理する仕事にも携わってきた。


臨床医として勤務しつつも、再生医学の臨床応用については常に研究しており、実用段階となった再生医療の症例を4000例以上経験。再生医療の長所、短所を知り尽くし、理想の関節治療を実現するため、大阪梅田に新規クリニックを開設する決意をした。「和顔愛語 先意承問」の精神で、丁寧な診察を心がけている。

​【経歴】

京都大学医学部大学院修了 

京都大学助教授(准教授)

市立舞鶴市民病院 副院長・院長代行

国立病院機構 舞鶴医療センター 医長

公益財団法人 丹後中央病院 部長

医療法人社団活寿会 理事長

大阪ひざ関節症クリニック 院長

膝の痛み専門 大阪梅田セルクリニック 院長

​【専門医など】

京都大学医学博士

日本専門医機構認定  整形外科専門医

リウマチ財団登録医

臨床内科専門医/糖尿病療養指導医

日本医師会認定産業医

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