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膝の裏が歩くと痛くなる原因と考えられる疾患・対処法・受診の目安


膝の裏が歩くと痛くなる原因と考えられる疾患・対処法・受診の目安

「歩くと膝の裏が痛い」と感じたとき、最初は筋肉の疲労や姿勢のクセなど軽い原因に思えても、実は関節や靭帯の炎症、変形性膝関節症や半月板損傷、関節リウマチなどの疾患が隠れているケースもあります。膝の裏は日常動作で大きな負担がかかる部分であり、痛みを放置すると歩行や生活に支障が出ることも少なくありません。


当記事では、膝裏の痛みの主な原因や考えられる疾患、また歩くと膝が痛くなるときの対処法について解説します。


【この記事はこんな方におすすめです】 ・歩くと膝の裏に違和感や痛みを感じている方

・スポーツや立ち仕事など膝に負担をかけやすい方

・中高年で膝関節に不安を抱えている方


歩くと膝の裏が痛くなる原因


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膝の裏の痛みは、歩く・しゃがむ・立ち上がるといった日常動作で感じやすいのが特徴です。膝を曲げ伸ばしする際に突っ張るような痛みや圧迫感があり、動き始めにこわばりを伴う場合もあります。痛みを感じる症状の背景には、関節や筋肉、腱、血流の不調などさまざまな原因が考えられます。


以下では、代表的な原因について解説します。



筋肉の疲労や緊張


膝の裏の痛みの原因として多いのが、筋肉の疲労や緊張です。膝の裏には「ハムストリングス」や「腓腹筋」などの筋肉があり、これらは歩行や階段の上り下り、しゃがむ動作などで常に使われています。長時間の立ち仕事やスポーツ、姿勢の崩れなどで負担がかかると、筋肉が硬直して血流が悪くなり、痛みやこわばりを感じやすくなります。


また、運動不足によって筋力が低下している人も、少しの動作で筋肉が疲労しやすく、膝裏の違和感につながります。痛みを和らげるためには、ストレッチや軽い運動で柔軟性を保ち、筋肉をほぐすことが有効です。



筋肉の柔軟性不足


筋肉の柔軟性不足も、膝の裏が痛む原因の一つです。膝関節を支えているハムストリングスやふくらはぎの筋肉は、日常生活や運動で硬くなりやすく、柔軟性が失われると膝の曲げ伸ばしの動きがスムーズに行えなくなります。スムーズに膝が使われないことで膝の裏側に余分な負担がかかり、痛みや違和感が出やすくなります。


特にデスクワーク中心の生活や運動不足の人は筋肉が固まりやすく、急な動作で膝裏を痛めることも少なくありません。柔軟性を高めるためには、ストレッチを習慣化して筋肉の伸びを良くすることが大切です。継続的に柔軟性を保つことで、膝裏の痛みの予防につながります。



靭帯や腱などの損傷・炎症


膝の裏の痛みは、靭帯や腱の損傷・炎症によっても起こります。膝関節には後十字靭帯や側副靭帯、腱や滑液包といった組織が集まっており、スポーツや日常生活で強い負荷がかかると損傷や炎症が生じることがあります。特にジャンプや急な方向転換、無理な体勢での動作は靭帯や腱を傷めやすく、膝裏に鋭い痛みを感じる原因となります。


炎症が起きると腫れや熱感を伴い、正座や歩行など日常の動作でも痛みが強まります。損傷や炎症が疑われる場合は無理に動かさず、整形外科での診察を受けることが重要です。適切な安静や治療を行うことで、早期回復と再発防止につながります。



姿勢や歩き方の問題


膝の裏の痛みは、姿勢や歩き方のクセが影響している場合もあります。猫背や反り腰など不自然な姿勢は骨盤や腰の位置を歪ませ、下半身にかかる荷重のバランスを崩します。バランスが崩れることで、膝関節に偏った負担がかかり、特に裏側の筋肉や靭帯にストレスが蓄積しやすくなります。


また、歩き方に問題がある場合も同様です。たとえば、つま先が外向きや内向きになっている歩き方、片足に重心をかけやすい歩き方は、膝の可動域に無理を生じさせ、膝裏の痛みを引き起こします。施設や歩き方に問題があるケースでは、姿勢改善のストレッチや歩行の矯正を行うことで痛みの軽減につながります。普段の姿勢や歩き方を意識して見直すことが、予防や改善の大切なポイントです。



歩くと膝の裏が痛くなるときに考えられる疾患


膝の裏に痛みがある場合、単なる筋肉の疲労や柔軟性不足ではなく、疾患が隠れていることもあります。特に中高年層では関節の変形や半月板の損傷、ベーカー嚢腫や関節リウマチなどの病気が原因となる場合もあります。放置すると悪化する恐れがあるため、症状が続くときは早めの受診が重要です。


以下では、歩くと膝の裏が痛いときに考えられる疾患の特徴を紹介します。



変形性膝関節症


変形性膝関節症は、膝関節の軟骨がすり減ることで炎症や痛みを引き起こす代表的な疾患です。特に中高年の女性に多く見られ、加齢や筋力低下、肥満などが主な要因とされています。初期には階段の昇り降りや立ち上がりの動作で膝の裏や内側に痛みを感じ、膝を伸ばすときに違和感やこわばりが出るのが特徴です。


進行すると膝に水がたまったり、ミシミシ、ゴリゴリと音が鳴ったりすることもあります。変形が悪化するとO脚化が進み、歩行困難や正座ができないといった生活への影響が大きくなり、最終的には人工関節の手術が必要になるケースもあります。膝裏の痛みが続く場合は早めに整形外科を受診し、進行を防ぐための治療や生活習慣の見直しましょう。



半月板損傷


半月板損傷は、膝関節にあるクッションの役割を持つ半月板に亀裂や断裂が生じる疾患です。スポーツ中の急な動作や転倒、事故などの外傷に加え、加齢による変性や膝への過度な負担でも発症します。症状としては膝裏や膝全体の痛みに加え、しゃがむ・立ち上がる・歩くといった動作で強い違和感を覚えるのが特徴です。進行すると膝が突然動かなくなる「ロッキング」や可動域の制限が現れ、日常生活に支障をきたすこともあります。


治療は安静やリハビリなどの保存療法が中心ですが、改善が見られない場合や痛み・引っかかり感が続く場合には手術が選択されることもあります。早期に診断を受けることで、将来的な変形性膝関節症への進行を防ぐことが可能です。



ベーカー嚢腫


ベーカー嚢腫(のうしゅ)は、膝の裏側に袋状の腫れやコブが生じる疾患で、膝裏の痛みや圧迫感の原因となります。膝関節は関節液によって潤滑されていますが、炎症や変形性膝関節症、半月板損傷、関節リウマチなどが引き金となり、この関節液が過剰に分泌されて滑液包に溜まることで嚢胞が形成されます。


大きくなるとゴルフボールほどのサイズになり、膝を曲げにくい、突っ張るといった症状が出るほか、破裂して痛みや腫れが強くなることもあります。場合によっては周囲の神経や血管を圧迫し、しびれや血流障害につながることもあるため注意が必要です。自然に消えるケースもありますが、強い痛みや大きな腫れが続く場合には、関節液を抜く処置や基礎疾患の治療が行われます。



関節リウマチ


関節リウマチは、免疫機能の異常によって自分の関節が攻撃され、炎症や破壊が進む自己免疫疾患です。膝に限らず全身の関節に症状が出るのが特徴で、放置すると関節が変形して機能を失い、歩行や日常生活に大きな影響を及ぼします。発症の多くは30〜50代の中高年で、特に女性に多いとされ、国内の患者数は約80万人と報告されています。初期には手指の関節が左右対称に腫れるほか、倦怠感や食欲不振など全身症状を伴うこともあります。


治療は薬物療法、リハビリテーション、手術の三本柱で行われ、進行抑制や関節の可動域維持が目標となります。症状が軽いうちに適切な治療を受けることが、関節破壊を防ぎ生活の質を保つために重要です。



歩くと膝の裏が痛くなるときの対処法


歩くと膝の裏が痛くなるときの対処法

膝の裏が痛むときの対処法としては、症状の程度や原因によって選ばれる治療法が異なります。まずは保存療法から始め、改善が見られない場合には薬物療法や理学療法、さらに重症例では手術が検討されます。

◼︎保存療法 安静やアイシング、サポーターの使用などで患部への負担を減らし、自然な回復を目指します。初期の軽い痛みでは最も基本的な対応法です。


◼︎薬物療法 炎症や痛みが強い場合、鎮痛薬や消炎薬を用いて症状を和らげます。湿布や塗り薬などの外用薬も用いられることがあります。


◼︎理学療法 ストレッチや筋力トレーニング、温熱療法などを通じて、膝関節周囲の柔軟性や安定性を高め、再発を予防します。理学療法士の指導のもとで行うと効果的です。


◼︎手術療法 半月板損傷やベーカー嚢腫の破裂、重度の変形性膝関節症など保存的治療で改善が見られない場合に検討されます。関節鏡を用いた手術や人工関節置換術が代表的です。


歩行が困難になる、強い腫れや熱感がある、数日安静にしても改善しないなど日常生活に影響が出ている場合には、疾患が隠れてる可能性もあるため、早めに受診をしましょう。



まとめ


膝の裏の痛みは、筋肉の疲労や柔軟性不足、靭帯や腱の炎症、姿勢や歩き方の癖など日常的な要因のほか、変形性膝関節症・半月板損傷・ベーカー嚢腫・関節リウマチといった疾患が原因となる場合もあります。


対処法としては、安静やアイシングを行う保存療法、薬物による痛みの緩和、理学療法による筋力強化や柔軟性の改善、重度では手術療法が検討されます。歩行が困難、強い腫れや熱感、数日安静にしても改善がない場合は、早期に整形外科を受診しましょう。




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監修医師

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保田 真吾 医師

京都大学でアルツハイマー病などの神経変性疾患の病態解明と治療法の開発に取組み、医学博士を取得。また、准教授として再生医学の応用研究に従事し、国際的評価の高い学術誌に研究成果を発表してきた。整形外科医としては、人工関節置換術や膝関節鏡手術を数多く経験。公的病院にて医長や副院長、院長代行などを務め、病院全体を管理する仕事にも携わってきた。


臨床医として勤務しつつも、再生医学の臨床応用については常に研究しており、実用段階となった再生医療の症例を4000例以上経験。再生医療の長所、短所を知り尽くし、理想の関節治療を実現するため、大阪梅田に新規クリニックを開設する決意をした。「和顔愛語 先意承問」の精神で、丁寧な診察を心がけている。

​【経歴】

京都大学医学部大学院修了 

京都大学助教授(准教授)

市立舞鶴市民病院 副院長・院長代行

国立病院機構 舞鶴医療センター 医長

公益財団法人 丹後中央病院 部長

医療法人社団活寿会 理事長

大阪ひざ関節症クリニック 院長

膝の痛み専門 大阪梅田セルクリニック 院長

​【専門医など】

京都大学医学博士

日本専門医機構認定  整形外科専門医

リウマチ財団登録医

臨床内科専門医/糖尿病療養指導医

日本医師会認定産業医

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