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【場所別】膝の痛みの原因と症状・疾患|対処法と受診の目安も解説


しゃがむと膝が痛いときは何科に受診する?痛みの原因や治療法

膝の痛みは、痛む場所によって原因となる疾患や症状が異なります。膝の内側が痛む場合は変形性膝関節症や鵞足炎、外側が痛む場合はランナー膝、前側が痛む場合はジャンパー膝や膝蓋骨の問題、裏側が痛む場合はベーカー嚢腫や半月板損傷など、それぞれ特徴的な原因が考えられます。痛む場所を特定することで、適切な対処法や受診すべき診療科の判断がしやすくなります。


当記事では、膝の痛みを場所別(内側・外側・前側・裏側)に分類し、それぞれの原因と症状、対処法、病院を受診すべき目安について詳しく解説します。

【この記事はこんな方におすすめです】 ・膝の痛みがあり原因を知りたい人

・痛む場所から考えられる疾患を確認したい人

・膝の内側・外側・前側・裏側のどこが痛むか特定したい人


膝の痛みの場所別の原因と症状


しゃがむと膝が痛い原因

膝の痛みは、内側・外側・前側・裏側のどこが痛むかで、考えられる原因や起こりやすい症状が変わります。痛みの場所は見分けの手がかりになるため、まず部位ごとの特徴を整理することが大切です。ここでは、痛む場所別に痛みの原因と症状、考えられる疾患について解説します。



膝の内側


膝の内側が痛む原因として多いのは、歩行や階段の上り下りの繰り返しによる負担、膝をひねる動作、加齢に伴う関節の変化、スポーツや転倒による外傷などです。膝の内側は体重がかかりやすいため、炎症、軟骨や半月板の障害、靱帯の損傷などが起こると痛みにつながりやすくなります。代表的な疾患は次の通りです。


■鵞足炎

膝の内側から少し下にある腱の付着部に炎症が起こる状態です。ランニングや階段の上り下りなど、膝の曲げ伸ばしを繰り返す動作で起こりやすく、運動後に内側下部が痛むことがあります。押すと痛みが出やすい点も特徴です。


■変形性膝関節症

加齢や長年の負担により、膝関節の軟骨がすり減って起こる疾患です。膝の内側に痛みが出ることが多く、歩き始めや立ち上がりで痛みやすくなります。進行すると腫れや動かしにくさが出る場合もあります。


■内側半月板損傷

膝の中にある半月板の内側が傷ついた状態です。膝をひねったあとに起こりやすく、内側の痛みに加えて、曲げ伸ばしのしにくさや引っかかる感じが出ることがあります。場合によっては膝が動かしにくくなることもあります。


■内側側副靱帯損傷

膝の内側にある靱帯が、外側からの強い力などで傷つく疾患です。スポーツや転倒で起こることが多く、内側のはっきりした痛みや押したときの痛みが見られます。損傷が強いと、不安定感を伴う場合もあります。



膝の外側


膝の外側が痛む原因として多いのは、走る・跳ぶ動作の繰り返しによる摩擦、膝をひねる外傷、横から力が加わるけがなどです。特に外側は、スポーツ動作で負担が集中しやすく、使い過ぎによる炎症と、半月板や靱帯の損傷が代表的です。外側の痛みが運動中に強まるのか、ひねった直後から続くのかで、考えやすい疾患が変わります。代表的なものは次の通りです。


■腸脛靭帯炎(ランナー膝)

太ももの外側から膝の外側へつながる腸脛靭帯が、膝の曲げ伸ばしでこすれて炎症を起こす状態です。ランニングや自転車など、同じ動作を繰り返す人に起こりやすく、運動中や運動後に膝の外側が痛みやすくなります。


■外側半月板損傷

膝をひねったときなどに、関節内のクッションである半月板の外側が傷つく状態です。外側の痛みに加えて、曲げ伸ばしのしにくさ、引っかかり感、動かしたときの違和感が出ることがあります。


■外側側副靭帯損傷

膝の外側にある靱帯が傷つくけがで、脚の内側から力が加わったときなどに起こります。外側を押すと痛い、腫れる、ぐらつく感じがする場合があり、損傷が強いほど不安定感も出やすくなります。



膝の前側


膝の前側が痛む原因として多いのは、ジャンプやダッシュの繰り返しによる腱への負担、成長期の骨への牽引力、膝前面の組織への炎症です。特に前側は、膝のお皿の下にある腱や周囲の軟部組織へ負担が集中しやすく、運動量の多い人や成長期の子どもで症状が出やすくなります。動き始め、ジャンプ、階段、正座などで痛みが強まる場合は、前側の組織に負担がかかっている可能性があります。代表的な疾患は次のとおりです。


■膝蓋腱炎(ジャンパー膝)

膝のお皿の下にある膝蓋腱に炎症が起こる疾患です。ジャンプやダッシュを繰り返すスポーツで起こりやすく、膝の前面、特に膝蓋骨の下あたりに痛みが出ます。運動中や運動後に悪化しやすく、押すと痛いこともあります。


■オスグッド・シュラッター病

成長期に多い疾患で、太ももの前の筋肉に引っ張られて、脛骨粗面に炎症や突出が起こる状態です。膝の下が痛んだり、骨が出っ張ったりするのが特徴で、運動すると悪化しやすくなります。成長期の男子に比較的多くみられます。


■膝蓋下脂肪帯炎

膝のお皿の下にある脂肪組織に炎症が起こる疾患です。膝の曲げ伸ばしの繰り返しや前面への負担で痛みが出やすく、前側の奥が詰まるように痛むことがあります。ジャンプやしゃがみ込みで症状が強まる場合があります。


■膝蓋大腿関節症

膝のお皿と太ももの骨の間にある関節の軟骨がすり減り、痛みが出る疾患です。一般には膝の前側の痛みとして知られますが、膝全体の使い方が変わることで、裏側の違和感や動かしにくさにつながることもあります。階段の上り下りや立ち座りで症状が出やすい点が特徴です。


膝の裏側


膝の裏側が痛む原因として多いのは、関節内で増えた関節液による腫れや、膝関節の変形、半月板の障害などです。膝裏は関節内の異常の影響が出やすい部位で、曲げ伸ばしのときの違和感、張り、腫れとして症状が現れることがあります。特に、膝裏がふくらむ、こわばる、曲げにくい場合は、関節液の貯留や関節内部の異常が関係していることがあります。代表的な疾患は次の通りです。


■ベーカー嚢腫(膝窩嚢腫)

膝の裏に関節液がたまり、袋状にふくらむ状態です。膝裏の痛みや腫れ、張る感じ、曲げ伸ばしのしにくさが出ることがあります。大人では、変形性膝関節症や半月板損傷など、膝関節内の異常に伴って生じることが多く、膝裏の痛みやふくらみの代表的な原因の1つです。


また、膝の裏側が痛い場合は、変形性膝関節症や半月板損傷が背景にある可能性もあります。変形性膝関節症では、関節の炎症や関節液の増加により膝裏の張りや痛みが出ることがあり、半月板損傷では、ひねった後の痛みや引っかかり感、動かしにくさに加えて、関節液の増加を通じてベーカー嚢腫を伴うことがあります。膝裏の腫れや痛みが続くときは、膝裏だけでなく関節全体の異常も疑うことが大切です。



膝の痛みの対処法と受診の目安


しゃがむと膝が痛いときは何科に受診する?しゃがむと膝が痛い原因

膝の痛みが出たときは、まず無理に動かさず、負担を減らしながら様子を見ることが大切です。軽い痛みであっても、動き方によって悪化することがあるため、応急処置と受診の目安を知っておくと安心です。主な対処法は次の通りです。


■安静にする

歩く、しゃがむ、階段の上り下りなど、痛みが強まる動作をいったん減らします。


■冷やす

運動後や炎症が疑われるときは、タオル越しに15~20分ほど冷やすと痛みが和らぎやすくなります。


■軽いストレッチ

強い痛みや腫れがない場合は、太もも周りを無理のない範囲で伸ばすと負担軽減につながることがあります。


ただし、腫れが強い、熱感がある、体重をかけられない場合は無理にストレッチせず、早めに整形外科を受診したほうが安全です。数日休んでも痛みが残る、膝が動かしにくい、腫れやひっかかり感がある場合も受診の目安になります。



まとめ


膝の痛みは、内側・外側・前側・裏側のどこが痛むかによって、考えられる原因や疾患が異なります。内側では鵞足炎や変形性膝関節症、外側では腸脛靱帯炎、前側では膝蓋腱炎、裏側ではベーカー嚢腫などが代表的です。


まずは痛む場所と症状の出方を整理し、無理をせず安静や冷却で対応することが大切です。ただし、腫れが強い、熱感がある、歩けない、痛みが続く場合は、自己判断せず整形外科を受診しましょう。





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監修医師

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保田 真吾 医師

京都大学でアルツハイマー病などの神経変性疾患の病態解明と治療法の開発に取組み、医学博士を取得。また、准教授として再生医学の応用研究に従事し、国際的評価の高い学術誌に研究成果を発表してきた。整形外科医としては、人工関節置換術や膝関節鏡手術を数多く経験。公的病院にて医長や副院長、院長代行などを務め、病院全体を管理する仕事にも携わってきた。


臨床医として勤務しつつも、再生医学の臨床応用については常に研究しており、実用段階となった再生医療の症例を4000例以上経験。再生医療の長所、短所を知り尽くし、理想の関節治療を実現するため、大阪梅田に新規クリニックを開設する決意をした。「和顔愛語 先意承問」の精神で、丁寧な診察を心がけている。

​【経歴】

京都大学医学部大学院修了 

京都大学助教授(准教授)

市立舞鶴市民病院 副院長・院長代行

国立病院機構 舞鶴医療センター 医長

公益財団法人 丹後中央病院 部長

医療法人社団活寿会 理事長

大阪ひざ関節症クリニック 院長

膝の痛み専門 大阪梅田セルクリニック 院長

​【専門医など】

京都大学医学博士

日本専門医機構認定  整形外科専門医

リウマチ財団登録医

臨床内科専門医/糖尿病療養指導医

日本医師会認定産業医

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