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膝が痛い時にやってはいけないことは?歩いてもいいか・対処法も解説


半月板損傷でやってはいけないこと7つ|原因や症状・治療法も解説

膝の痛みは、年齢や生活習慣にかかわらず多くの人が経験する不調の一つです。しかし、「いつものことだから」と放置したり、痛みを我慢して動き続けたりすると、症状が悪化してしまうケースも少なくありません。膝に違和感や痛みを覚えた時こそ、まずは無理をせず、日常の動作や習慣を見直すことが大切です。


当記事では、膝が痛い時に避けるべき行動や、歩いてもよいかどうかの判断基準、膝の状態に応じた具体的な対処法を紹介します。


【この記事はこんな方におすすめです】 ・膝に痛みを感じているが、日常生活をどう見直すべきか分からない人

・膝が痛いときに運動しても大丈夫かどうか判断に迷っている人

・間違った行動で膝の痛みを悪化させたくないと考えている人


膝が痛い時やってはいけないことは?

半月板損傷でやってはいけないこと7つ

膝が痛い時は、安静にしすぎず適度に動かすことが推奨される場合もあります。 しかし、痛みを抱えた状態での動作や行為によっては、かえって膝関節に負担をかけ、症状を悪化させるおそれがあります。特に日常生活の中にある何気ない習慣が原因になっているケースもあるため、注意が必要です。


以下では、膝に痛みがある時に避けるべき行動や状況について解説します。



激しい運動やトレーニング


膝に痛みがある時に激しい運動やハードなトレーニングを行うと、関節への負担が増し、炎症や痛みが悪化するおそれがあります。特に長距離のジョギング、ジャンプを伴うバスケットボールやバレーボール、スクワットなどは膝関節に大きな衝撃が加わるため避けるべきです。


膝周辺の靭帯や軟骨が損傷している場合、こうした運動によりさらに状態を悪化させてしまう可能性があります。筋力の維持も大切ですが、痛みがある間は自己判断で運動せず、医師や理学療法士の指導のもとでリハビリを行いましょう。



膝を大きく曲げる動作


膝を深く曲げる動作は、関節の可動域を超えて負荷をかけることになり、痛みのある状態では症状を悪化させる原因になります。正座や和式トイレの使用、しゃがみ込みなどは、膝関節に強い圧力がかかりやすく、痛みや炎症を助長する可能性があります。痛みがある場合は、こうした動作を繰り返さないよう意識的に避け、椅子の生活を心がけるなど日常生活で工夫をしましょう。


また、膝を無理に動かすことは、関節内の損傷や疾患の進行につながるケースもあるため注意が必要です。



階段の上り下りの繰り返し


階段の上り下りは日常的な動作のひとつですが、膝への負担が大きく、痛みがある時に繰り返すと症状が悪化しやすくなります。階段を下る動作では膝関節に体重以上の圧力がかかるため、軟骨や靭帯に負荷が集中しやすいです。


痛みがある状態で無理に階段を使い続けると、炎症が長引いたり、関節の機能低下を招いたりする可能性があります。できる限りエレベーターやエスカレーターを利用し、階段の使用を控えましょう。



重い物を持った状態での移動


重いものを持って移動すると、体重以上の負荷が膝関節にかかり、炎症や痛みの悪化を招くおそれがあります。特に膝に痛みがある時は、筋力やバランスが不十分になりやすく、無理な体勢での持ち運びが負担をさらに増加させます。


仕事や家事などで避けられない場面では、代車を使用したり、複数人で運んだりなど、できるだけ膝への負担を避けましょう。また重量物を持つ時は膝ではなく、腰を中心に動かすなどの工夫も大切です。



サイズの合わない靴の着用


サイズの合わない靴を履いていると、歩行時の姿勢や重心が乱れて、膝への負担が偏りやすくなります。大きすぎる靴は踏ん張りが効かず、小さすぎる靴は足先の圧迫から膝に影響を及ぼします。クッション性のない靴、ヒールなどの高い靴も関節に衝撃を与えて痛みの原因になることも少なくありません。膝にやさしい靴選びを心がけましょう。


また、歩き方によっても膝に負担がかかっている可能性も考えられます。頭のてっぺんから紐で被歯されているような感覚で背筋を伸ばし、地面にはかかとからつま先にかけて力がかかるように歩きましょう。



体が冷える行為


体が冷えると血流が悪くなり、関節周辺の代謝や回復が妨げられることで膝の痛みが強くなることがあります。冷房の効いた室内や薄着での外出、長時間の冷えた環境は注意が必要です。


慢性的な膝の不調がある方は、湯船に浸かる・膝を温める・冷気を直接当てないといった工夫を取り入れましょう。膝を冷やさず温めることで、痛みの軽減や回復促進が期待できます。



体重の増加


体重が増えると、そのぶん膝にかかる負担も大きくなります。膝関節は常に体を支えているため、わずかな体重増加でも膝にとっては大きなストレスとなり、痛みや炎症の原因となります。


特に膝に既に不調がある場合、急激な体重増加は症状を悪化させやすいです。バランスの良い食事や軽めの運動を心がけ、適正体重を維持することが膝の健康を守ることにつながります。



膝が痛い時は歩いてもいい?


膝が痛い時、「歩いた方がいいのか、安静にした方がいいのか」と迷う方は少なくありません。基本的には、かばって歩かなければならないほどの強い痛みがある場合は、無理に歩かず安静にすることが大切です。痛みを我慢して歩くと、関節や筋肉に偏った負担がかかり、かえって症状を悪化させる場合があります。


一方、軽い痛みや違和感程度であれば、関節の可動域や筋力を維持するためにも、無理のない範囲で歩くことは回復に役立ちます。痛みの程度を見極めながら、必要に応じて医療機関に相談しましょう。



膝が痛い時の対処

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膝の痛みは加齢や使いすぎによるものだけでなく、変形性膝関節症や関節リウマチ、半月板損傷、痛風などの疾患が原因となっている可能性もあります。症状の原因や膝の状態に応じた適切な対処を行うことが、悪化の防止や早期回復につながります。


以下では、膝に熱や腫れがある場合とそうでない場合に分けて、効果的な対処法を解説します。



膝に熱があったり腫れたりしている時


膝に熱感や腫れなど炎症の兆候がある場合には、無理に動かさず適切に対処する必要があります。


対処法としては以下のような方法があります。


■安静にする

膝を動かすと炎症が広がる可能性があるため、できるだけ動かさず、膝への負担を最小限に抑えましょう。立ち仕事や長時間の歩行も避けてください。


■冷やす

氷や保冷剤をタオルで包んで、腫れている部分を1回15〜20分程度冷やします。血管が収縮させることで炎症や腫れ、痛みなどを和らげる効果が期待できます。ただし、冷やしすぎには注意しましょう。


■サポーターをして固定する

適度な圧迫と安定感を与えることで膝の動きを制限し、炎症の悪化を防ぎます。通気性の良いものを選ぶのがおすすめです。


万が一痛みや腫れが強く続く場合、また歩行が困難で生活に支障をきたしている場合には、早めに整形外科に受診し正確な診断と治療を受けましょう。



膝に熱や腫れがない時


膝に熱や腫れがない場合は、炎症や重度の損傷の可能性が低いため、無理のない範囲で日常生活の中にケアを取り入れましょう。以下のような対処法が効果的です。


■ストレッチをする

太ももやふくらはぎの筋肉が硬くなると、膝関節に負担がかかります。前もも(大腿四頭筋)や太ももの裏(ハムストリングス)、ふくらはぎの筋をゆっくり伸ばすストレッチを行い、膝周辺の柔軟性を高めましょう。


■姿勢や歩き方を意識する

猫背や片足重心の姿勢、すり足歩きなどは膝に余計な負担をかけます。背筋を伸ばし、膝とつま先の向きを揃えて歩くことを意識すると、膝への負荷が軽減されます。


■低負荷の運動をする(水中歩行や軽いウォーキング)

関節への負担が少ない水中歩行や平坦な道でのゆっくりとしたウォーキングは、筋力維持と血行促進に役立ちます。継続することで膝の安定性も向上します。




まとめ


膝が痛い時は激しい運動やトレーニング、正座などの深く膝を曲げる動作、階段の上り下り、重い物の持ち運び、サイズの合わない靴の着用、体を冷やす行為、体重増加などは避けましょう。


軽い痛みなら無理のない範囲で歩くことは可能ですが、強い痛みがある場合は安静にする必要があります。熱や腫れがある時は冷やして安静に、ない時は適度なストレッチや低負荷の運動が効果的です。症状が続く場合は我慢せず、早めに医療機関を受診しましょう。





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監修医師

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保田 真吾 医師

京都大学でアルツハイマー病などの神経変性疾患の病態解明と治療法の開発に取組み、医学博士を取得。また、准教授として再生医学の応用研究に従事し、国際的評価の高い学術誌に研究成果を発表してきた。整形外科医としては、人工関節置換術や膝関節鏡手術を数多く経験。公的病院にて医長や副院長、院長代行などを務め、病院全体を管理する仕事にも携わってきた。


臨床医として勤務しつつも、再生医学の臨床応用については常に研究しており、実用段階となった再生医療の症例を4000例以上経験。再生医療の長所、短所を知り尽くし、理想の関節治療を実現するため、大阪梅田に新規クリニックを開設する決意をした。「和顔愛語 先意承問」の精神で、丁寧な診察を心がけている。

​【経歴】

京都大学医学部大学院修了 

京都大学助教授(准教授)

市立舞鶴市民病院 副院長・院長代行

国立病院機構 舞鶴医療センター 医長

公益財団法人 丹後中央病院 部長

医療法人社団活寿会 理事長

大阪ひざ関節症クリニック 院長

膝の痛み専門 大阪梅田セルクリニック 院長

​【専門医など】

京都大学医学博士

日本専門医機構認定  整形外科専門医

リウマチ財団登録医

臨床内科専門医/糖尿病療養指導医

日本医師会認定産業医

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