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肋間神経痛の初期症状とは?原因や治療法・予防法について解説


女性で片側の足の付け根が痛む原因6つ|対処法や予防法も解説

胸や背中に突然走るような、鋭い痛みを感じたことのある人もいるのではないでしょうか。肋骨に沿って走る神経が刺激を受けることで生じる痛みの総称とされる「肋間神経痛」は、咳やくしゃみ、身体をひねったときなど、日常的な動作でも痛みを感じるのが特徴です。原因や対処法を知っておくことで、突然の痛みにも落ち着いて対応することができます。


当記事では、肋間神経痛の初期症状から原因、治療法、予防法などを解説します。

【この記事はこんな方におすすめです】 ・胸や背中にピリピリ・ズキズキするような痛みを感じている方

・肋間神経痛かどうか判断に迷っている方

・肋間神経痛の対処法・治療法を調べている方


肋間神経痛の初期症状とは?

女性で片側の足の付け根が痛む原因とは

肋間神経痛とは、肋骨に沿って走る肋間神経が何らかの原因で刺激され、痛みを引き起こす疾患です。神経が圧迫されたり炎症を起こしたりすることで、胸や背中に痛みを感じるようになります。呼吸や咳、体をひねる動作など、日常のちょっとした動きによって痛みが強まることもあります。痛みは片側だけに現れることが多く、鋭く突き刺すような感覚になることもあります。


以下では、肋間神経痛の具体的な初期症状について解説します。



胸や脇腹・背中のズキズキ・ピリピリした痛み


肋間神経痛の初期症状として多くみられるのが、胸や脇腹、背中にかけてのズキズキ・ピリピリとした痛みです。肋間神経は背骨から肋骨に沿って伸びているため、神経が刺激されるとその経路に沿った範囲に痛みが生じます。特に胸の片側、脇腹、背中の上部などに痛みが集中する傾向があります。


痛みの感じ方には個人差がありますが、刺すような鋭い痛みや電気が走るようなビリビリとした感覚、焼けつくような痛みなどが代表的です。咳やくしゃみ、深呼吸、体をひねるといった胸郭を動かす動作で痛みが強くなるのが特徴で、安静時にも突然痛みが現れることがあります。



皮膚表面のかゆみやヒリヒリ感


肋間神経痛では、皮膚表面にかゆみやヒリヒリとした感覚が現れることがあります。特に、帯状疱疹ウイルスによって肋間神経がダメージを受けると、神経に沿った部位の皮膚上に痛みの刺激が伝わりやすくなります。胸や脇腹、背中などに赤い発疹や水ぶくれが現れ、ピリピリとした痛みやかゆみを伴うのが特徴です。


衣類が触れるだけで強い刺激を感じたり、何もしていなくても持続的に痛むことがあり、日常生活に支障をきたすケースも少なくありません。また、発疹が出ない「無疱疹性帯状疱疹」の場合もあり、この場合は見た目では異常がないにもかかわらず、強い痛みや不快感が続くのが特徴です。いずれの場合も、早期の受診と適切な治療が重要です。



肋間神経痛の原因


肋間神経痛の原因には、はっきりと特定できる場合とそうでない場合があります。原因が明確なものは「症候性肋間神経痛(続発性)」、一方で特定の原因がないものは「突発性肋間神経痛(原発性)」と呼ばれています。


以下では、続発性、原発性に分けて考えられる原因を紹介します。



【続発性】ウイルス感染


肋間神経痛の原因としてよく知られているのが、ウイルス感染によるものです。特に関係が深いのが「帯状疱疹ウイルス」です。子どもの頃に水ぼうそうにかかったことがある人は、そのまま帯状疱疹ウイルスが神経の一部に潜んでおり、体調を崩したときや強いストレスなどで免疫力が下がると、再び活性化して神経に悪影響を及ぼすことがあります。


ウイルスが再活性化して神経に炎症を起こすことで、肋間神経痛につながるという流れです。加齢や疲労の蓄積も要因となるため、年齢に関係なく注意が必要です。



【続発性】脊椎や肋骨の問題


肋間神経痛は、背骨(脊椎)や肋骨の変性や構造的な問題が原因で起こることがあります。たとえば、加齢に伴う脊椎の変形(変形性脊椎症)や、背骨が側方に曲がる「側弯症」などによって、肋間神経が圧迫されたり、引き伸ばされたりすると痛みが生じることがあります。


また、椎間板のすり減りによる神経の圧迫も、肋間神経痛の一因となることがあります。これらの変化は加齢とともに進行しやすく、知らないうちに神経への影響が出ているケースもあります。



【続発性】術後や外傷による神経損傷


胸・背中など肋骨周辺の損傷で手術した際に、メスや器具が神経の近くに触れたり、癒着によって神経が引っ張られたりすると、肋間神経に障害が起こることがあります。また転倒や打撲によって肋骨が折れたり、周辺の組織が損傷したりすることも神経の圧迫につながり痛みの原因になりえます。



【原発性】ストレス・疲労


はっきりとした原因が見つからない原発性の代表的な要因として挙げられるのが、ストレスや疲労の蓄積です。精神的なストレスや肉体的な疲労は、自律神経のバランスが乱れ神経が過敏状態になりやすくなります。わずかな刺激でも痛みとして現れるようになり、結果的に肋間神経痛を引き起こす原因となる場合があります。


検査による明確な原因が見つからず、ストレスや疲労の蓄積に心当たりがある場合には、生活習慣を変えたり、心身の状態を見直したりすることが大切です。



【原発性】姿勢不良


日常的に姿勢が悪いことでも肋間神経痛につながります。たとえば、長時間のデスクワークやスマホの操作で前屈みの姿勢を続けていると、背中から肋骨まわりにかけての筋肉に緊張が生じ、肋間神経を圧迫する状態が続いてしまいます。


姿勢不良による負荷が蓄積されると神経が過敏になり、痛みを引き起こすことがあります。特に猫背や左右どちらかに偏った姿勢を長時間とっている方は注意が必要です。




肋間神経痛の治療法・対処法

女性で片側の足の付け根が痛む際の対処法

肋間神経痛を感じたら、痛みを我慢したり無理に動いたりするのは避けることが大切です。重たい荷物を持つことや、痛みを我慢して日常生活を続けると症状が悪化するおそれがあります。生活に支障が出るほどの痛みがある場合は、早めに整形外科を受診し、適切な治療を受けましょう。


以下では主な治療法や対処法について解説します。



薬物療法


薬物治療では主に神経ブロック治療と抗ウイルス剤を使用します。神経ブロック治療とは、神経やその周りに、局所麻酔注射や高周波の熱やアルコールを用いて痛みの信号を一時的に遮断をすることで数か月から数年にわたって強い痛みを取り除く方法です。繰り返し処置することで慢性的な痛みを軽減できる場合もあります。


また、帯状疱疹ウイルスが原因と考えられる場合には、抗ウイルス剤を使用します。ウイルスの増殖を抑え、神経へのダメージを最小限に抑えることで痛みの緩和が期待できます。ウイルスが増殖して神経へダメージを与える前に、発疹や痛みが出た初期段階で治療を行うことが大切です。



運動療法


肋間神経痛の改善には、症状が落ち着いた後に軽度な運動療法を取り入れることが有効とされています。ストレッチや体幹を意識した動作により、姿勢の改善や筋肉の緊張緩和が期待できます。猫背などの悪い姿勢が原因で神経に圧力がかかっている場合は、正しい姿勢を保つ運動が再発防止にもつながります。


ただし、原因が胸椎椎間板ヘルニアなど骨の異常による場合は注意が必要です。過度な運動や誤った姿勢での運動は、神経への圧迫を強めて症状を悪化させるおそれがあります。自己流ではなく、必ず医師や理学療法士の指導のもとで無理のない範囲で行うことが大切です。



肋間神経痛の予防法


肋間神経痛に確実な予防法はありませんが、日常生活の中で発症リスクを軽減するために意識したい習慣があります。以下のようなポイントに注意することで、神経への負担を抑えられます。


・姿勢を正しく保つ

・同じ姿勢を長時間続けない

・無理のない範囲で適度に身体を動かす

・十分な睡眠とバランスの取れた食事を心がける

・ストレスをため込まないようにする

・冷えを防ぎ身体を温めるようにする


特に寒暖差のある季節や疲労がたまりやすい時期は、意識して体調を整えることが大切です。


まとめ


肋間神経痛は、肋間神経が何らかの原因で刺激されることで、胸や脇腹、背中にかけて鋭い痛みやヒリヒリ感を引き起こす疾患です。原因としては、帯状疱疹ウイルスの再活性化や、脊椎・肋骨の変形、手術や外傷による神経損傷、ストレスや姿勢不良などが挙げられます。


治療には神経ブロック注射や抗ウイルス薬の使用があり、痛みが和らいだ後には軽度な運動療法が効果的です。再発や悪化を防ぐには、日頃から姿勢を整え、ストレスをため込まず、体を冷やさないよう心がけることが大切です。





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