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股関節が痛い時にやってはいけないことは?姿勢や治療法も解説


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歩くたびに股関節が痛む、立ち上がるときに違和感がある、といった症状に悩む方は少なくありません。股関節は体重を支える重要な関節であるため、日常生活での行動や姿勢が痛みに大きく影響することがあります。股関節が痛い時には、適切な対応を怠ると症状が悪化してしまうこともあります。


当記事では、股関節が痛い時に避けるべき行動や体勢、治療法の種類について紹介します。日常生活での負担を軽減し、悪化を防ぎたい方は、ぜひ参考にしてください。


【この記事はこんな方におすすめです】 ・股関節の痛みがあり、日常生活に支障を感じている方

・痛みがある中で何をしてはいけないかを知りたい方

・正しい対処法や治療法について知識を深めたい方


股関節が痛い時やってはいけないことは?

股関節が痛い時やってはいけないことは?

股関節が痛い時には、無意識にとっている姿勢や日常の行動が痛みを悪化させる原因になることがあります。痛みを軽減するためには、股関節に余計な負担をかけないよう注意が必要です。


ここでは、股関節が痛い時に避けるべき行動や体勢について解説します。



重いものを持つ仕事をする


股関節に痛みがある状態で重いものを持ち上げる作業を続けると、股関節への圧力が大きくなり、炎症や損傷を悪化させるおそれがあります。特に立った姿勢で重い荷物を持ち上げる動作は、体重以上の負荷が関節に集中しやすく、軟骨や筋肉に過度な負担をかけてしまいます。


痛みが続く場合は、仕事の内容を一時的に調整し、重労働を避けることが大切です。業務を無理に続けると、治療が長引いたり、慢性化したりするリスクも高まります。



負荷の高い運動をする


痛みがあるにもかかわらず、ランニングやスクワット、ジャンプなどの関節に強い負担をかける運動を続けると、関節内の炎症や筋肉・腱の損傷が悪化するおそれがあります。運動は筋力の維持や体重管理に効果的ですが、股関節に痛みがある時期は安静を優先することが重要です。無理をして動き続けることで、関節の摩耗が進み、変形性股関節症などの疾患につながるリスクもあります。


また、一度損傷した関節は完全に元の状態に戻すことが難しくなるため、早期の対応が必要です。軽いストレッチや負荷の少ない運動を取り入れたい場合は、必ず医師や理学療法士の指導のもとで実施し、適切な運動量を見極めましょう。



不規則な生活や体重増加をする


睡眠不足や偏った食生活、運動不足といった不規則な生活習慣は、身体の回復力や免疫機能を低下させ、炎症が治まりにくくなります。結果的に股関節の痛みが慢性化しやすくなるため注意が必要です。


また、体重が増加すると股関節への荷重が増えるため、軟骨や関節包の摩耗が進み、痛みが悪化する恐れがあります。特に体重は関節に直接的な負担をかけるため、適正体重を保つことが関節痛の予防や軽減に重要です。痛みを感じたときこそ、バランスの取れた食事を意識し、睡眠をしっかり取り、負担の少ない運動を継続するなど、生活習慣の見直しを積極的に行いましょう。



痛みを我慢して動き続ける


痛みがあるにもかかわらず、仕事や家事、運動などをいつも通りこなそうとすることで、股関節の状態をさらに悪化させてしまう可能性があります。股関節は歩行や立ち座りといった基本動作のたびに負荷がかかる部位であるため、無理をすると炎症が広がり、筋肉や靭帯への損傷にもつながります。一時的に痛みが和らいでも、再び強く現れることも少なくありません。


特に高齢者では、無理を続けた結果、骨折や関節疾患に発展するケースも見られます。痛みを感じた段階で適切に休息をとり、状態が改善しない場合は整形外科などの専門医を受診しましょう。



無理にストレッチやマッサージをする


股関節まわりに違和感や痛みがある際、自己判断で強いストレッチやマッサージを行うと、筋肉・腱・靭帯に過度な負荷がかかり、かえって症状が悪化する場合があります。痛みがあるときの筋肉は緊張しやすく、柔軟性も低下しているため、無理に伸ばしたり押したりすると微細な損傷や炎症の悪化を招く可能性があります。ストレッチやマッサージは本来、予防やリハビリの一環として有効ですが、痛みが強いときは避けましょう。


安全かつ効果的にケアを行うには、医師や理学療法士の指導のもと、関節の状態に合った方法を選ぶことが求められます。



自己判断で放置をする


股関節の痛みを「よくある疲れ」や「加齢のせい」と考えて放置してしまうと、重篤な病気の発見が遅れることがあります。初期には軽い違和感だけでも、変形性股関節症や大腿骨頭壊死などの疾患が進行していたというケースも少なくありません。


自己判断による様子見を続けることで、関節の変形や軟骨の摩耗が進み、結果的に手術を要するような状態に至るリスクもあります。特に長期間にわたって痛みが引かない、もしくは日常動作に支障が出ている場合は、整形外科など専門機関で早期に原因を特定し、適切な処置を受けることが大切です。



股関節が痛い時に注意すべき体勢


股関節に痛みがあるときは、日常生活の中で無意識にとっている体勢が、関節への負担を大きくしている場合があります。以下に、避けるべき体勢とその理由をそれぞれ解説します。


・足を組んで座る

足を組むことで骨盤が傾き、股関節に左右非対称の負荷がかかります。股関節周辺の筋肉や靭帯に緊張が生じ、痛みや炎症が悪化するリスクがあります。習慣化している場合は、椅子に座る際の姿勢を見直しましょう。


・長時間のあぐらや正座、横座り

あぐらや正座、横座りの体勢は股関節を大きく曲げたりねじったりするため、関節内圧が高まりやすくなります。長時間続けると血流が悪化し、関節周辺の炎症が治りにくくなる恐れがあります。床に座る場合は座椅子やクッションを活用し、足を伸ばすなどして負担を軽減しましょう。


・重心を片足にかける体勢

立っているときに片足に体重をかけるクセがあると、股関節にかかる荷重が偏ります。筋肉のアンバランスや骨盤のゆがみが生じ、股関節の痛みが長引く原因になります。立つ際には両足に均等に重心をかけるよう意識することが大切です。


・深くしゃがむ体勢

しゃがむことで股関節が大きく屈曲し、関節内部の構造に強い圧力がかかります。痛みがあるときに無理をすると、関節包や軟骨に傷がつく恐れがあり、症状が悪化しかねません。作業時には椅子を使うなど、姿勢を工夫することが求められます。


・長時間の立ち姿勢

同じ姿勢で長時間立ち続けると、股関節まわりの筋肉が疲労し、関節へのサポート力が低下します。その結果、直接的な負荷が増えて痛みが悪化する可能性があります。定期的に座る、足を動かすといった工夫で、筋肉と関節への負担を軽減することが重要です。



股関節が痛い時の治療法

股関節が痛い時の治療法

股関節に痛みがある場合、その原因や進行度によって適切な治療法は異なります。軽度な炎症であれば安静や薬による治療で回復することもありますが、進行した関節疾患ではリハビリや手術が必要になることもあります。自己判断で対処せず、医療機関で正確な診断を受けた上で、状態に応じた治療を行うことが大切です。


次に、具体的な治療法の種類について解説します。



保存療法


保存療法は、股関節の痛みが比較的軽度な場合や、発症直後の急性期において行われる基本的な治療法です。関節にかかる負担を軽減するため、まずは過度な運動や長時間の歩行などを避け、安静を保ちます。痛みが強いときには、消炎鎮痛剤の服用や湿布薬の使用によって痛みや炎症を抑えることが可能です。


また、体重のコントロールも症状の悪化を防ぐためには有効です。保存的な対処によって痛みが緩和すれば、理学療法などの次の段階の治療へと進むことができます。



理学療法(リハビリ)


理学療法は、股関節の可動域や筋力の低下を防ぎ、関節機能を維持・改善するために行われる治療法です。理学療法士の指導のもとで行うストレッチや筋力強化トレーニング、歩行訓練などを通じて、股関節周囲の筋肉を強化し、関節への負担を軽減します。


特に大臀筋、中臀筋、大腿四頭筋など股関節まわりの筋肉を鍛えることは、痛みの緩和と予防に効果的とされています。症状が進行している場合でも、理学療法を継続することで手術を回避できる可能性もあります。



注射療法


注射療法は、保存療法や理学療法で十分な効果が得られない場合に用いられる治療法です。股関節に直接ステロイド薬やヒアルロン酸製剤を注射することで炎症を抑え、痛みの軽減を図ることができます。即効性が期待できるため、強い痛みに悩まされている方に適しています。


特にヒアルロン酸は関節の滑りを良くし、関節の動きをなめらかにする効果もあります。ただし、注射の頻度や回数には制限があり、継続的な治療としては医師と相談しながら適切に活用することが重要です。



手術療法


保存療法やリハビリを行っても症状が改善せず、日常生活に支障をきたすような強い痛みがある場合は、手術療法が選択肢となります。代表的なのが「人工股関節置換術」で、摩耗や変形が進んだ関節を人工関節に置き換える手術です。人工股関節置換術により、股関節の痛みが大幅に軽減され、歩行や階段昇降といった動作もスムーズになることが期待されます。


術後には数週間~数か月にわたるリハビリが必要ですが、生活の質(QOL)が大きく向上する可能性があります。手術の適応は、年齢や活動レベル、疾患の進行度などを総合的に判断して決定されます。



まとめ


股関節が痛いときは、重いものを持つ作業や負荷の高い運動、不規則な生活・体重増加、痛みを我慢した継続行動など、股関節に負担のかかる体勢や動作を避けることが大切です。足を組む座り方、長時間のあぐらや正座、片足重心、深いしゃがみ込み、長時間立位などの体勢も関節への負担を増加につながるため注意しましょう。


治療法には保存療法、理学療法、注射療法、手術療法などがあります。症状の程度に応じて適切な治療を選択する必要があるため、股関節が痛いと感じたら早期の専門医受診が推奨されます。





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監修医師

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保田 真吾 医師

京都大学でアルツハイマー病などの神経変性疾患の病態解明と治療法の開発に取組み、医学博士を取得。また、准教授として再生医学の応用研究に従事し、国際的評価の高い学術誌に研究成果を発表してきた。整形外科医としては、人工関節置換術や膝関節鏡手術を数多く経験。公的病院にて医長や副院長、院長代行などを務め、病院全体を管理する仕事にも携わってきた。


臨床医として勤務しつつも、再生医学の臨床応用については常に研究しており、実用段階となった再生医療の症例を4000例以上経験。再生医療の長所、短所を知り尽くし、理想の関節治療を実現するため、大阪梅田に新規クリニックを開設する決意をした。「和顔愛語 先意承問」の精神で、丁寧な診察を心がけている。

​【経歴】

京都大学医学部大学院修了 

京都大学助教授(准教授)

市立舞鶴市民病院 副院長・院長代行

国立病院機構 舞鶴医療センター 医長

公益財団法人 丹後中央病院 部長

医療法人社団活寿会 理事長

大阪ひざ関節症クリニック 院長

膝の痛み専門 大阪梅田セルクリニック 院長

​【専門医など】

京都大学医学博士

日本専門医機構認定  整形外科専門医

リウマチ財団登録医

臨床内科専門医/糖尿病療養指導医

日本医師会認定産業医

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