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走ると股関節が痛む原因4つ|対処法や予防法についても解説


女性で片側の足の付け根が痛む原因6つ|対処法や予防法も解説

ランニング中や走った後に股関節が痛くなる経験をしたことのある方も、いるのではないでしょうか。股関節は上半身と下半身をつなぐ重要な関節で、走る動作において多方向からの力が加わるためトラブルが起きやすい部位でもあります。痛みの原因にはさまざまな要素が関わっており、原因に応じた対応が必要です。


当記事では、股関節が痛くなる主な原因と対処法、また痛みを予防するためのポイントを解説します。

【この記事はこんな方におすすめです】 ・ランニング中または走った後に股関節が痛くなる方

・股関節の痛みの原因を知りたい方

・股関節の痛みを予防したいランナーや運動愛好者の方


走ると股関節が痛くなる原因

女性で片側の足の付け根が痛む原因とは

走っていると股関節に違和感や痛みを覚えることがあります。股関節は脚の上下運動だけでなく、内旋・外旋、前後左右の複雑な動きにも関与しており、日常動作よりも高い負荷がかかるため、繰り返しの使用によってトラブルが生じやすい部位です。


痛みの原因には、筋肉や腱の炎症、関節の異常、神経の圧迫、骨や軟骨の損傷などがあり、状態によって適切な対応が異なります。以下では、走行時に股関節痛を引き起こす主な原因について詳しく解説します。



疲労による骨折


走る動作を繰り返すことで、股関節やその周囲の骨に過剰な負荷がかかると、「疲労骨折」と呼ばれる骨の損傷が起こることがあります。疲労骨折は、骨に外から強い衝撃が加わったわけではなく、軽い力が繰り返し加わることで骨の一部に小さなひび(微細な骨折)が入る状態です。


股関節まわりでは、大腿骨の頸部に疲労骨折が起こりやすく、初期は軽い痛みでも、悪化すると歩行困難になる場合もあります。特に長距離を走るランナーや運動習慣の急な変化があった人は注意が必要です。骨の強度や筋力のバランスも影響するため、日頃のコンディション管理が大切です。



股関節の異常・筋肉や腱の炎症


走ると股関節が痛くなる原因には、筋肉や腱の炎症に加えて、関節や骨の異常が関わっていることもあります。股関節周辺には大腿四頭筋や内転筋、大臀筋など多くの筋肉があり、これらに過度な負担がかかると、炎症によって痛みが生じることがあります。これを「股関節周囲炎」と呼び、動作時に痛みを感じやすいのが特徴です。


また、股関節の軟骨がすり減ることで痛みや可動域の制限が現れる「変形性股関節症」、生まれつき骨盤の受け皿が浅く関節のはまりが悪い「寛骨臼形成不全」など、構造的な異常も原因となる場合があります。構造的な異常による疾患があると、ランニングなどの運動によって症状が悪化する可能性があるため、痛みが続く場合は医療機関での診断が大切です。



左右の筋肉バランスの差


股関節の痛みは、左右の脚の筋肉バランスが崩れていることでも起こります。手に利き手があるように、脚にも「利き脚」があり、無意識のうちに片脚ばかりに力を入れて使っていることがあります。よく使う脚の筋肉は発達しやすく、反対側の筋肉とのバランスが乱れると負担が偏り、筋肉の硬直や股関節への痛みにつながります。


また、脊椎が左右に曲がる「脊椎側湾症(せきついそくわんしょう)」があると、体の左右で姿勢や筋肉の使い方に差が生じ、股関節にも偏った負荷がかかります。片側の筋肉だけがこわばるような感覚があれば、筋肉のバランスに目を向けてみることも大切です。



ランニングフォームや靴の問題


走っているときのフォームや履いている靴の状態も、股関節に痛みが出る原因のひとつです。たとえば、猫背のまま走っていたり左右どちらかに体が傾いていたりすると、股関節にかかる負担が増して痛みを感じやすくなります。股関節は体の中心で上半身と下半身をつなぐ関節のため。姿勢の乱れによって影響を与えてしまいます。


また、ソールがすり減った靴や自分の足に合っていないランニングシューズを履き続けていると着地の衝撃を吸収できず、関節に負担がかかります。フォームや靴の状態に問題があると関節に炎症が起きて「滑液包炎」などのトラブルにつながることもあるため、普段の走り方や道具にも目を向けてみることが大切です。



走ると股関節が痛くなるときの対処法


走っている最中や走った後に股関節に痛みを感じた場合、そのまま無理を続けると症状が悪化するおそれがあるため注意が必要です。早めに適切な対処をすることで、炎症や負担が軽減され、回復も早まる可能性があります。以下では、痛みを感じたときにとるべき基本的な対処法を紹介します。



運動を中止して休む


股関節に痛みがあるときは、まず運動を中止して安静にすることが大切です。無理に動かし続けると炎症や損傷が広がり、回復が遅れてしまうおそれがあります。ストレッチはケアや予防に効果的とされますが、痛みが出ている状態で行うとかえって悪化させる場合もあるため注意が必要です。


まずは痛みの原因となっている動作を控え、股関節への負担を減らすことを優先しましょう。状態が落ち着いてから、ストレッチなどのケアを取り入れるようにします。



冷やして炎症を抑える


股関節に痛みを感じるときは、炎症が起きている可能性があります。特に腫れや熱感を伴う場合は、患部を冷やすことで炎症を抑えられます。保冷剤や氷をタオルに包み、1回15〜20分程度を目安に冷却しましょう。直接肌に当てると凍傷のリスクがあるため、必ず布を挟むようにしてください。


冷却は運動直後や痛みが強いときに有効で、痛みを和らげながら腫れの進行を防ぐ効果があります。炎症が落ち着くまでは、無理に動かさず安静を保つことが大切です。



医療機関に受診する


股関節の痛みが数日間続く場合や歩くのが困難なほど痛みが強い場合は、できるだけ早く医療機関を受診することが重要です。特に、内出血が見られる、腫れが強い、以前にも同じ場所に痛みを感じた経験があるといったケースでは、疲労骨折や関節の疾患などの可能性も考えられます。


安静にしても改善がみられない場合は、整形外科などで適切な検査と診断を受けることで、早期回復につながります。放置せず、専門の判断を仰ぎましょう。



走るときに股関節が痛くなるのを防ぐ方法

女性で片側の足の付け根が痛む際の対処法

股関節の痛みを防ぐためには、まず運動の頻度や距離、強度が過剰になっていないかを見直すことが大切です。走りすぎや急な負荷の増加は、股関節に過度な負担をかけてしまう原因になります。日々のランニングを見直した上で痛みを予防するためには、走る前の準備にも気にかけましょう。


以下では、股関節を守るための具体的な予防策を紹介します。



筋肉トレーニングを取り入れる


股関節の痛みを予防するためには、走るときだけでなく日常的に準備をしておくことが大切です。そのひとつが筋肉トレーニングです。股関節を安定させるには骨盤まわりや太もも、腹筋・背筋などの筋力がしっかり働いていることが重要です。


特に、大臀筋や腸腰筋といった股関節を支える筋肉を強化することで、走行時の衝撃を吸収しやすくなり、関節への負担を軽減できます。無理のない範囲で、継続的に取り入れていくことが予防につながります。



走る前に準備運動をする


走る前に準備運動を行うことも、股関節の痛みを防ぐうえでとても大切です。ウォームアップをすることで筋肉のこわばりがほぐれ、関節の動きがスムーズになり、急な動きによるケガのリスクを減らすことができます。準備運動にはウォーキングと軽いランニングを交互に行うだけでも、股関節まわりが温まりやすくなります。


また、走ったあとのクールダウンも忘れずに行いましょう。脚や大臀筋、股関節、体幹などを意識したストレッチを取り入れることで、疲労をやわらげ痛みの予防につながります。



足にあった靴で走る


足に合ったシューズを選ぶことも、股関節が痛くなるのを防ぐ方法のひとつです。見た目や価格だけで選んだ靴では自分の足にフィットしない場合があり、走行中に余計な負荷が脚や股関節にかかることがあります。合わない靴を履いていると、股関節のほかにも膝や腰、肩など全身の不調につながることもあるため注意が必要です。


クッション性に優れた靴を選ぶことで着地時の衝撃を吸収し、股関節への負担を軽減します。ランニングの頻度やレベルに合った靴選びができるように、可能であれば専門店で試着し、シューフィッターなどのアドバイスを受けるのがおすすめです。自分にぴったりの一足が痛みの予防にもつながります。



まとめ


走ると股関節が痛くなる原因は、筋肉や腱の炎症、骨や関節の異常、左右の筋肉バランスの乱れ、フォームやシューズの問題などさまざまです。痛みが出たときには早めに休息を取り、必要に応じて冷却や医療機関の受診を検討しましょう。


予防のためには、日ごろから股関節まわりの筋力を高め、ウォームアップやクールダウンを取り入れることが大切です。自分の足に合ったシューズを選ぶことも、負担軽減と痛み予防につながります。運動によって痛みが出ている場合には、運動量や頻度を見直すことから始めましょう。





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