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足首を捻ってない・腫れてないのに痛い原因5つ|疾患や対処法も解説


半月板損傷でやってはいけないこと7つ|原因や症状・治療法も解説

足首が痛いと、「捻ったかな?」「腫れてるのかも?」とケガを疑う方が多いかもしれません。しかし実際には、捻っていない、腫れてもいないのに足首に痛みを感じるケースも少なくありません。このような場合、足首への負担の蓄積や、靴・歩き方・筋力の低下など、日常生活の中に原因が潜んでいることがあります。また、アキレス腱炎や関節リウマチなどの疾患が影響している可能性もあるため、軽視は禁物です。


当記事では、足首を捻っていない・腫れていないのに痛む場合に考えられる原因と、注意すべき疾患、日常生活での対処法について解説します。


【この記事はこんな方におすすめです】 ・足首が痛むのに、捻った覚えがなく腫れも見られない方

・運動や長時間歩行の後に足首に違和感がある方

・足首の痛みが続き、病気や疾患の可能性が気になる方


足首を捻ってない・腫れてないのに痛い原因

半月板損傷でやってはいけないこと7つ

足首を捻った覚えもなく、見た目にも腫れがないのに痛みを感じることがあります。実は、こうしたケースにはいくつかの原因が考えられます。


以下では、明らかな怪我がなくても足首が痛む代表的な要因を紹介します。



足首の使いすぎ


足首の痛みは、明らかなケガがなくても「使いすぎ」が原因で生じることがあります。たとえば、長時間の立ち仕事や慣れない運動を急に行った場合などに、足首まわりの筋肉や靭帯に負担がかかり、炎症や疲労が蓄積して痛みを引き起こします。


特に運動習慣がない方がハイキングや登山などに参加した後に起こりやすい傾向です。女性は男性より筋肉量が少ないことから、むくみやだるさ、痛みを感じやすいとされています。こまめなストレッチや足を休める工夫を取り入れることで、症状の緩和が期待できます。



合わない靴の着用


足首の痛みは、合わない靴の着用が原因となることもあります。特にヒールの高い靴や、つま先の狭いデザインの靴は足首を不安定にし、歩くたびに余計な力がかかるため、痛みや違和感が生じやすくなります。


また、サイズが合っていない靴や、足の形に合わない靴を履き続けると、歩行時のバランスが崩れ、足首の関節や筋肉に負担が蓄積されてしまいます。靴底が硬すぎたり、ヒールの高さが合っていない靴も要注意です。足首の健康を守るためには、自分の足に合った靴選びが大切です。



姿勢や歩き方の癖


普段の姿勢や歩き方の癖が足首の痛みを引き起こすことがあります。たとえば、片足に重心をかける癖があったり、内股・がに股など不自然な歩き方をしていたりすると、足首の一部に偏った負担がかかり、関節や筋肉に痛みが生じやすくなります。


また、猫背や骨盤の歪みも全身のバランスを崩し、結果として足首に過度な負荷を与えることがあります。こうした癖は無意識のうちに身についているため、日頃から鏡で姿勢をチェックしたり、歩行時の体の使い方を見直したりすることが大切です。



筋力の低下や柔軟性の不足


足首の痛みの原因として、筋力の低下や柔軟性の不足も挙げられます。ふくらはぎや足首周辺の筋肉が衰えると、歩行時や立位での安定性が損なわれ、足首にかかる負担が増加します。また、関節や筋肉の柔軟性が不足していると、動作に伴う衝撃を十分に吸収できず、足首の靭帯や関節に過度なストレスがかかることになります。


特に高齢者や運動習慣の少ない方に起こりやすく、段差でのつまずきやちょっとした動きでも痛みを引き起こす要因になります。足首の安定性を高めるためには、日頃からストレッチや筋トレを行い、筋力と柔軟性を維持しましょう。



冷えや血行不良


足首の痛みは、冷えや血行不良によって引き起こされることもあります。寒さによって血管が収縮し、足首周辺の血流が滞ると、筋肉や関節に必要な酸素や栄養が届きにくくなり、痛みやこわばりを感じやすくなります。特に女性や冷え性の方は、下半身の血行が悪くなる傾向があり、足首の違和感や慢性的な痛みを引き起こしやすいとされています。


また、長時間のデスクワークや運動不足も血流を悪化させる原因となります。冷えを防ぐには、足元を温める、ストレッチで筋肉を動かす、湯船に浸かるなどの工夫が有効です。日常的に血行を促進する習慣を取り入れることが、足首の痛み予防につながります。



足首を捻ってない・腫れていないのに痛むときに考えられる疾患

足首を捻った記憶がなく、腫れも見られない場合でも、体の内部で何らかの異常が起きている可能性があります。足首周辺に違和感や痛みが続くときは、以下のような疾患が隠れている場合もあるため注意が必要です。


以下では、代表的な疾患を紹介します。



アキレス腱炎・アキレス腱周囲炎


アキレス腱炎やアキレス腱周囲炎は、アキレス腱に繰り返し負荷がかかることによって生じる炎症性疾患です。特に運動や長時間の歩行、靴の不適合などが原因で、微細な損傷が回復しきらず慢性化することで発症します。アキレス腱炎はアキレス腱自体に炎症が生じる状態を指し、一方のアキレス腱周囲炎は腱の周囲にある「パラテノン」と呼ばれる組織に炎症が起きた状態です。


両者は症状や治療法が似ており、腫れや動作時の痛み、特に階段や坂道での違和感が代表的な症状です。悪化すると日常生活にも支障をきたすため、早期の対処が重要です。



変形性足関節症


変形性足関節症は、足首の関節を構成する脛骨と距骨の表面を覆う軟骨がすり減り、痛みや腫れを引き起こす疾患です。加齢や過去の捻挫・骨折、関節リウマチ、感染症などが原因とされ、なかには明確な誘因がなく発症するケースも少なくありません。


主な症状は歩行時の痛みで、初期は歩き始めに強く、次第に落ち着く傾向がありますが、進行すると持続的な痛みや足首の変形、可動域の制限が現れます。変形が進めば歩行困難となることもあり、生活の質を大きく損なうリスクがあります。



関節リウマチ


関節リウマチは、免疫異常により関節の滑膜が炎症を起こし、進行すると軟骨や骨が破壊されて関節機能が損なわれる疾患です。関節の腫れや痛みが左右対称に現れ、朝のこわばりが強いことが特徴です。手足の小さな関節に起こりやすく、進行すると変形や可動域制限を引き起こします。


原因は完全には解明されていませんが、遺伝的要因や感染、喫煙、歯周病などが関係すると考えられています。免疫細胞が自分の関節を攻撃することで炎症が続き、やがて関節破壊に至ります。



痛風


痛風は、血液中の尿酸が関節内に結晶化し、激しい痛みや腫れを引き起こす病気です。特に足の親指のつけ根や足関節、膝などに発作が起こりやすく、「風が吹いても痛い」と表現されるほどの激痛が特徴です。


高尿酸血症が原因で、暴飲暴食やアルコールの多飲、肥満、腎機能の低下などが影響します。発作を繰り返すうちに関節が変形したり、腎臓に尿酸結石ができて腎不全になったりすることもあります。痛風になったら早期の生活改善と継続的な治療が必要です。



捻ってない・腫れてないのに足首が痛むときの対処法

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足首が痛いときは自分で行える対処法と病院で行える対処法があります。以下では、いくつか自分でできる対処法を紹介します。


■足首に負担のかかる動作や行動を避ける

足首に痛みがあるときは、無理に動かすと症状が悪化するおそれがあります。特に長時間の歩行や階段の上り下り、ジャンプなどは避けましょう。できるだけ安静にし、必要があればこまめに休憩を取って足首を休ませることが大切です。


テーピングなどで固定する

テーピングやサポーターで足首を固定すると関節の動きを制限でき、痛みや炎症の悪化を防げます。ねんざや不安定感がある場合にも有効です。ただし、自己流で巻くと逆効果になることもあるため、不安な場合は専門家に相談しましょう。


■痛み止めを使用する

強い痛みがあるときは、市販の鎮痛剤を使うことで一時的に症状を緩和できます。動作が楽になれば、安静を保ちやすくなります。ただし、痛み止めは原因を治すものではないため、長引く痛みは医療機関で診てもらいましょう。


痛みが続く場合には、早めの受診をおすすめします。基本的には整形外科を受診し、他の原因が予想される場合には該当の診療科を受診しましょう。



まとめ


足首を捻らずに腫れもないのに痛む原因として、足首の使いすぎ、合わない靴の着用、姿勢や歩き方の癖、筋力低下・柔軟性不足、冷えや血行不良が挙げられます。痛みが続く場合には、アキレス腱炎・周囲炎、変形性足関節症、関節リウマチ、痛風など疾患の可能性もあるため注意が必要です。


まずは足首に負担をかける動作を避け、テーピングでの固定や、必要に応じて痛み止めを使用しましょう。症状が続く場合は整形外科への受診が推奨されます。日頃からの筋力維持や適切な靴選びなどで足首への負担を軽減することも大切です。





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監修医師

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保田 真吾 医師

京都大学でアルツハイマー病などの神経変性疾患の病態解明と治療法の開発に取組み、医学博士を取得。また、准教授として再生医学の応用研究に従事し、国際的評価の高い学術誌に研究成果を発表してきた。整形外科医としては、人工関節置換術や膝関節鏡手術を数多く経験。公的病院にて医長や副院長、院長代行などを務め、病院全体を管理する仕事にも携わってきた。


臨床医として勤務しつつも、再生医学の臨床応用については常に研究しており、実用段階となった再生医療の症例を4000例以上経験。再生医療の長所、短所を知り尽くし、理想の関節治療を実現するため、大阪梅田に新規クリニックを開設する決意をした。「和顔愛語 先意承問」の精神で、丁寧な診察を心がけている。

​【経歴】

京都大学医学部大学院修了 

京都大学助教授(准教授)

市立舞鶴市民病院 副院長・院長代行

国立病院機構 舞鶴医療センター 医長

公益財団法人 丹後中央病院 部長

医療法人社団活寿会 理事長

大阪ひざ関節症クリニック 院長

膝の痛み専門 大阪梅田セルクリニック 院長

​【専門医など】

京都大学医学博士

日本専門医機構認定  整形外科専門医

リウマチ財団登録医

臨床内科専門医/糖尿病療養指導医

日本医師会認定産業医

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