膝痛・膝の痛みの対処法
膝が痛くなった時に、まずは自宅で出来る対処法を紹介します。
自宅で出来る方法 其①「膝が腫れて熱を持っている時」
1 安静にする
2 膝を冷やす
安静にする
膝痛が強くなり、膝が腫れて熱を持っているときには、膝関節の中の滑膜が炎症を起しています。膝の痛みが強くなっているときには、痛みがある程度おさまるまでは安静を保った方がいいでしょう。膝が痛いからと言って全く動いていけないわけではありません。ADLを保つことも大切ですから、痛くない範囲で膝を動かしたり、軽く膝を曲げたり伸ばしたりしましょう。家の中で、トイレに行ったり、家のなかで動くことも膝を動かす運動になっていますが、出来るだけ痛みが出にくい動作を心がけてください。
受診が必要な症状
変形性膝関節症の場合は、体重をかけたとき、膝を強く曲げ伸ばしした時に膝の痛みが強くなるのが特徴です。じっとしている時も膝が痛い時は、痛風、偽痛風、関節リウマチ、化膿性関節炎、骨壊死などの可能性がありますから早めに整形外科を受診してください。
膝を冷やす
膝が痛い時、腫れて熱を持っていれば膝を冷やしましょう。膝が激しく痛むときは膝関節の中の滑膜が炎症を起こしているからです。冷やすときは氷嚢を使いましょう。ない場合はビニール袋に氷をいれてタオルで包んで用いても構いません。15分から20分かけて膝を冷やすことを、一日三回おこないましょう。これを毎日おこなえば、徐々に腫れや熱感がひいて膝の痛みがおさまります。
薬物療法
鎮痛剤の内服や湿布を貼ることも、痛みを緩和するのに役立ちます。病院で処方するのと同等の薬をドラックストアで購入することが出来ます。迷ったら、お店の薬剤師の相談するのもいいでしょう。
上記3つの方法をおこなって、ひざの腫れが落ち着いてからの対処法を次に説明します。
自宅で出来る方法 其②「ひざの腫れが落ち着いている時」
1 膝を温める
2 膝に負担の少ない運動療法
慢性期の症状
先ほどは、ひざが腫れて熱をもっている場合の対処法でしたが、次は腫れが比較的おさまっている場合の対処法です。長く歩かなければ痛くない、階段以外は大丈夫といった場合です。滑膜の炎症はあるが、強くない状態です。こういう時の対処法は膝を温めることです。そして膝に負担の少ない運動療法をおこなうことです。
膝を温める
腫れが落ち着いて来たら膝を温めるのが良いでしょう。膝を温めると血流がよくなり、膝痛の原因となっている物質が洗い流されて痛みが和らぐのです。自宅で膝を温める方法でおすすめなのは、入浴したり、湯たんぽ、温湿布を用いることです。レッグウオーマーを着用したり、ひざ掛を用いるのも効果的です。変形性膝関節症の痛みは腫れが強くない時期は膝を温めて対処します。
運動療法
膝の腫れと熱感が落ち着いたら運動療法を行いましょう。OARSI(国際関節症学会)が定めている「変形性膝関節症ガイドライン」では運動療法の有効性を患者さんに説明することが勧められています。運動療法をしていけないのは、膝が腫れて熱をもっている場合です。また外傷の場合も運動療法をおこなってはいけません。運動療法は膝に負担をかけない方法がいいでしょう。ひざに痛みを感じる運動療法は控えましょう。このような時、当院では「振り子運動」や「大腿四頭筋訓練」をするように説明しています。
医療機関受診
膝の痛みの原因を詳しく調べるには、MRI検査が最も優れています。膝の症状があるときは出来るだけ早期に医療機関を受診し、MRI検査を受けましょう。